ニュース速報

ビジネス

米GDP、4─6月期6.5%成長 コロナ前の規模回復 個人消費堅調

2021年07月30日(金)02時43分

米商務省が29日に発表した2021年第2・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比6.5%増加し、規模としては新型コロナウイルス禍前の19年第4・四半期を上回った。マンハッタンのレストランのようす。5月撮影(2021年 ロイター/Caitlin Ochs)

(内容を追加しました。)

[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日に発表した2021年第2・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比6.5%増加し、規模としては新型コロナウイルス禍前の19年第4・四半期を上回った。個人消費や企業の設備投資が堅調で、成長を後押しする一方、サプライチェーン(供給網)の制約に伴う在庫の大幅な切り崩しが重しとなり、市場予想の8.5%増には届かなかった。

第1・四半期のGDPの伸びは6.3%と、6.4%から下方改定された。20年については3.4%減と、3.5%減から上方改定されたものの、なお1946年以来の大幅な落ち込みとなった。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、スコット・ホイト氏は「経済が不況で失ったものを完全に取り戻し、本格的な成長軌道に乗っている」と指摘。「コロナ不況からの回復は中国や東南アジアの一部を除き、世界の他の国々よりもはるかに進んでいる」と述べた。

第2・四半期はGDPの7割を占める個人消費が11.8%増と、前四半期の11.4%増に続いて2四半期連続で2桁の伸びとなった。外食や宿泊、娯楽、自動車などの消費が好調だった。企業の設備投資も8.0%増加。一方、住宅投資は9.8%減少し、前四半期の13.3%増からマイナスに転じた。

在庫変動は1659億ドルのマイナス。前四半期の883億ドルからマイナス幅が拡大し、GDPの伸びを1.13%ポイント下押しした。輸出は6.0%、輸入は7.8%、それぞれ増加。政府支出は1.5%減少した。在庫や貿易、政府支出を除いだ成長率は9.9%。前四半期は11.8%だった。

物価面では、FRBが物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数の伸びが6.1%と、前四半期の2.7%から急拡大し、目標の2%を大幅に上回った。ただ、パウエル議長はインフレの高進が一過性との見方を崩していない。

経済成長率は第2・四半期に現在の回復局面でピークに達したとみられるものの、年内はなお底堅く推移する見込みで、今年の成長率は7%程度と1984年以来の高成長を記録するもようだ。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GM、第1四半期は予想上回る増収増益 通年利益見

ワールド

ロシア、ウクライナの兵器基地への攻撃を強化へ=国防

ワールド

中国の国防費拡大を懸念、台湾への挑発増す=米太平洋

ビジネス

英利下げはまだ先、インフレ巡る悪材料なくても=ピル
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親会社HYBEが監査、ミン・ヒジン代表の辞任を要求

  • 4

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 5

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 9

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中