ニュース速報

ビジネス

米インフレ率、今年末までに現行水準から低下へ=財務長官

2021年06月24日(木)08時41分

6月23日、イエレン米財務長官は米インフレ率について、サプライチェーン(供給網)のボトルネックが解消されるに伴い、今年末までに現在の高水準から低下するとの見通しを示した。ワシントンの米FRBで2019年3月撮影(2021年 ロイター/Leah Millis)

[23日 ロイター] - イエレン米財務長官は23日、米インフレ率について、サプライチェーン(供給網)のボトルネックが解消されるに伴い、今年末までに現在の高水準から低下するとの見通しを示した。インフレ期待が上昇する兆候も、ほとんど見られないと述べた。

バイデン政権の予算案に関する議会上院の小委員会で証言した。

イエレン氏は、新型コロナウイルス感染対策で何カ月も行動が制限された後に経済活動が再開する間、道のりは平たんではないと述べた。

共和党のジョン・ケネディー上院議員から物価動向について、5月に見られたように前年比5%のペースで上昇を続けると思うか問われると、今年終盤か来年初めまでに2%により近づくとの見方を示した。

また、来年以降のインフレ期待を示す大半の指標も、米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%により近い水準に戻ることを示していると指摘した。

最近の物価上昇圧力の高まりについては、パウエルFRB議長ら他の当局者と同様に、コロナ禍からの景気回復に伴い、春に生じた供給の不足やボトルネックが主な要因との認識を示した。

その上で、こうした問題は今後数カ月で自然に解消され、過去10年以上にわたり物価を抑制してきた長期的な要因が再びインフレを下方に導くだろうと予想した。

ケネディー議員は、FRB当局者による最近の金利見通しの変化についても質問した。FRBが先週公表した見通しでは、当局者による利上げ時期の予想(中央値)が、3月時点の2024年から23年に早まった。

同議員は「FRB当局者は最近の会合で『状況が変わったため、当初の方針より早期に、より速いペースで利上げせざるを得ない公算が大きい』と言った。それは彼らがインフレについて懸念しているからではないのか」と正した。

これに対しイエレン氏は「彼らが行ったのはそういうことではない」とし、「複数の当局者が自身の予想の中で記したことだ」と指摘。「FRBについてコメントは控えたいが、彼らは発表を行ったのではないとだけ言っておく」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルのガザ支援措置、国連事務総長「効果ないか

ワールド

記録的豪雨のUAEドバイ、道路冠水で大渋滞 フライ

ワールド

インド下院総選挙の投票開始 モディ首相が3期目入り

ビジネス

ソニーとアポロ、米パラマウント共同買収へ協議=関係
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中