ニュース速報

ビジネス

英企業倒産増加の可能性低い、コロナ支援策終了後=英中銀

2021年05月10日(月)08時13分

[ロンドン 7日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、アンディ・ホールデン氏は7日、政府が新型コロナウイルス支援策を終えた際に英企業の倒産が相次ぐとの見通しは持ってないとの見解を述べた。

ホールデン氏は企業向けの講演で、各社が最近蓄積した負債は返済期間が長いため「返済できる可能性が高まり、倒産が現在の比較的低い水準から大幅にペースが加速することはない」と指摘。「ただ、究極的には倒産を巡るリスクがあるため、注視する必要がある」とした。

また、物価上昇率が英中銀の最新の見通しを上回ったり下回ったりする「大きなリスク」があると言及。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)から経済が持ち直す中で、物価はまず目標の2%を上回り、その後は2─3年で目標に近づく見通しだ。「現時点でわれわれは、総じて上下双方のリスクがあるとみており、どちらとも大幅に振れる可能性がある。経済の状況を踏まえると避けられないことだ」と話した。

ホールデン氏とともに講演を行ったブロードベント副総裁は、政策当局者が金融緩和政策を行う可能性は3カ月前より低下したとし、緩和へのバイアスは以前ほど顕著ではないとの見方を示した。

ブロードベント氏は、6日に公表された中銀金融政策委員会(MPC)の議事要旨に言及。議事要旨は「MPCは引き続き状況を注視し、権限遂行に向け必要なあらゆる措置を講じる」としている。

一方、3月時点でこの部分は「インフレ見通しが弱まれば、委員会は権限遂行に向け必要なあらゆる追加措置を講じる用意がある」としていた。

ブロードベント氏は、議事要旨の文言の変化について「下振れリスクは引き続き存在するものの、いかに小さくなったかを示している」と説明した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中独首脳会談、習氏「戦略的観点で関係発展を」 相互

ビジネス

ユーロ圏貿易黒字、2月は前月の2倍に拡大 輸出が回

ビジネス

UBS、主要2部門の四半期純金利収入見通し引き上げ

ビジネス

英賃金上昇率の鈍化続く、12─2月は前年比6.0%
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 2

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア黒海艦隊「主力不在」の実態

  • 3

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 4

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 5

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 6

    【地図】【戦況解説】ウクライナ防衛の背骨を成し、…

  • 7

    訪中のショルツ独首相が語った「中国車への注文」

  • 8

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    「アイアンドーム」では足りなかった。イスラエルの…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 7

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    猫がニシキヘビに「食べられかけている」悪夢の光景.…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中