ニュース速報

ビジネス

リスクオフでドル上昇、FOMCは景気回復ペース懸念=NY市場

2021年01月28日(木)07時48分

[ニューヨーク 27日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。新型コロナウイルスの先行きが不透明な中、米連邦準備理事会(FRB)が景気回復ペースを巡って懸念を示したことから投資家の間で警戒感が広がり、安全とみられるドルが買われた。

株式市場では売りが膨らみ、ダウ工業株30種は600ドル以上値下がりした。

シリコンバレー・バンクのシニアFXトレーダー、ミン・トラン氏は「米国内でコロナワクチン展開の有効性を巡ってかなりの不安があり、明確なリスクオフ相場となった」と述べた。

FRBはこの日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、経済活動と雇用の回復ペースがここ数カ月で鈍化したとの認識を示し、感染拡大で最も大きな痛手を受けた部門に脆弱性が集中していると指摘。公衆衛生を巡る危機が引き続き経済活動、雇用、インフレの重しになり、経済見通しに対する大きなリスクになると表明した。

ウエスタンユニオン・ビジネスソリューション(ワシントン)のシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「FRBの一段と慎重なメッセージがドルの下支えになった。FRBが最近の回復ペースの減速を指摘したことで、短期的な見通しに対する懸念が強まっている」と述べた。

ドルは通貨バスケットに対し0.53%高の90.636。一時90.896と今月18日以来の高値を付けた。

ユーロ/ドルは0.48%安の1.2101ドル。ドイツ政府は、今年の経済成長率見通しを3.0%と昨秋時点の4.4%から大幅に引き下げた。

豪ドルは1.08%安の0.7664ドル。一時0.7642ドルと今月4日以来の安値を付けた。

ポンドは対ユーロで8カ月ぶり高値を更新。英国でのワクチン展開が欧州連合(EU)よりも進んでいることが材料視された。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは値下がりし、一時3万ドルを割り込んだ。その後は5.6%安の3万0686ドル。今月8日に付けた4万2000ドルからは27%下げているが、昨年10月中旬の水準からはなお約174%値上がりしている。

ドル/円 NY終値 104.09/104.12

始値 103.83

高値 104.19

安値 103.81

ユーロ/ドル NY終値 1.2108/1.2112

始値 1.2115

高値 1.2128

安値 1.2058

(表はリフィニティブデータに基づいています)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

G20、米利下げ観測後退で債務巡る議論に緊急性=ブ

ビジネス

米EVリビアンが約1%人員削減発表、需要低迷受け今

ビジネス

USスチール買収計画の審査、通常通り実施へ=米NE

ビジネス

企業の資金需要DIはプラス4、経済の安定推移などで
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中