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新型コロナや温暖化対策、企業が主導的役割を=国連事務総長
[ニューヨーク 25日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は25日、世界経済フォーラム(WEF)のオンライン形式の会議で講演し、新型コロナウイルス危機からの公平で持続可能な回復や気候変動対策で、企業が主導的役割を担うべきだとの考えを示した。
グテレス氏は、気候変動や地政学的分裂、サイバースペース、核や化学兵器拡散リスクが高まる中での軍縮といった問題で、世界的な「ぜい弱性」があるとし、「2021年にはこうしたぜい弱性に対処して世界を軌道に乗せる必要がある」と強調した。
その上で「企業が重要な役割を果たし、政府に対して正しいことをするよう圧力をかけることを期待している」と述べ、「われわれが方向転換を行い、ぜい弱性を解消し、気候の大惨事を回避し、われわれが望み必要とする公平で持続可能な未来を築くため、今まで以上にあなた方の協力が必要だ」と訴えた。
為替や通商、金融規制など様々な分野で米国と中国が大きく分断していることへの懸念を改めて示し「こうした分断を解消するため、可能な限り全てのことを行う必要がある」と語った。
世界経済を回復させる最も効果的な方法は、新型コロナウイルスのワクチンを公平に分配することだとし「先進国が発展途上国をないがしろにし、自国民のワクチン接種をすれば安全だと考えるとしたら、それは間違いだ」と指摘した。
さらに「国民に基本的サービスを提供するか、もしくは債務を返済すべきかの選択を迫られることがないよう」、必要とする全ての国への債務軽減措置が必要だと指摘した。
2021年の主要目標は脱炭素に向けた国際協調だとし、化石燃料への補助金廃止やカーボンプライシングの推進、再生可能エネルギーへの大規模投資などが必要だとの考えを示した。
国連はこの日公表した報告書で、今年の世界経済成長率は、昨年のマイナス4.3%からプラス4.7%に回復するとの見通しを示した。