ニュース速報

ビジネス

IBM、第4四半期売上高は予想下回る ソフト事業が不振

2021年01月22日(金)11時34分

 米IBMが1月21日発表した第4・四半期決算は、売上高が市場予想を下回った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景とする経済的な不透明感から顧客が長期契約を見送り、ソフトウエア事業が減収となったことが響いた。カナダのトロントで2017年10月撮影(2021年 ロイター/Chris Helgren)

[21日 ロイター] - 米IBMが21日発表した第4・四半期決算は、売上高が市場予想を下回った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景とする経済的な不透明感から顧客が長期契約を見送り、ソフトウエア事業が減収となったことが響いた。

2021年中に売上高がプラスに転じる見通しとしたが、株価は引け後の時間外取引で6.7%下落した。4四半期連続で減収となったことが嫌気された。

売上高は前年同期比6.5%減の203億7000万ドルで、リフィニティブのまとめたアナリスト予想の206億7000万ドルを下回った。

為替変動や事業売却に絡む影響を除くベースでは、売上高は8%減少した。

一方、クラウドコンピューティング事業の売上高は10%増加し、過去最高の75億ドルとなった。

同事業の好調を追い風に、特別項目を除く1株利益は2.07ドルと市場予想の1.79ドルを上回った。

IBMのアービンド・クリシュナ最高経営責任者(CEO)は「顧客が引き続き新型コロナへの対応を進めていること、またマクロ環境全般の不透明感が強いことが当社の業績に反映されている」と指摘。

「こうした要因が今四半期のソフトウエアの大型取引をさらに圧迫する。一部のサービス契約でプロジェクトに遅れが出る」と述べた。

クラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業の売上高は4.5%減の68億ドル。過去2年は増収が続いていた。

ただ、ジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)はロイターに対し、2021年の売上高が増加するとの自信を示した。企業のクラウドへの移行加速、グローバル・ビジネス・サービス部門の販売回復、ドル安の進行が寄与するという。

同社は分社化の準備を進めている。新生IBMは、自社のデータセンターとリース資産を組みわせてデータの管理・処理を行う「ハイブリッド・クラウド」事業に専念する予定だ。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、21万2000件と横ばい 労働

ビジネス

円安は「かなり大幅」、日米金利差を反映=IMFアジ

ビジネス

英利下げ検討できず、高すぎる賃金上昇率などで=グリ

ビジネス

米ドルの基軸通貨としての地位、今後も続く=モルガン
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中