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IBM、第4四半期売上高は予想下回る ソフト事業が不振
米IBMが1月21日発表した第4・四半期決算は、売上高が市場予想を下回った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景とする経済的な不透明感から顧客が長期契約を見送り、ソフトウエア事業が減収となったことが響いた。カナダのトロントで2017年10月撮影(2021年 ロイター/Chris Helgren)
[21日 ロイター] - 米IBMが21日発表した第4・四半期決算は、売上高が市場予想を下回った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景とする経済的な不透明感から顧客が長期契約を見送り、ソフトウエア事業が減収となったことが響いた。
2021年中に売上高がプラスに転じる見通しとしたが、株価は引け後の時間外取引で6.7%下落した。4四半期連続で減収となったことが嫌気された。
売上高は前年同期比6.5%減の203億7000万ドルで、リフィニティブのまとめたアナリスト予想の206億7000万ドルを下回った。
為替変動や事業売却に絡む影響を除くベースでは、売上高は8%減少した。
一方、クラウドコンピューティング事業の売上高は10%増加し、過去最高の75億ドルとなった。
同事業の好調を追い風に、特別項目を除く1株利益は2.07ドルと市場予想の1.79ドルを上回った。
IBMのアービンド・クリシュナ最高経営責任者(CEO)は「顧客が引き続き新型コロナへの対応を進めていること、またマクロ環境全般の不透明感が強いことが当社の業績に反映されている」と指摘。
「こうした要因が今四半期のソフトウエアの大型取引をさらに圧迫する。一部のサービス契約でプロジェクトに遅れが出る」と述べた。
クラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業の売上高は4.5%減の68億ドル。過去2年は増収が続いていた。
ただ、ジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)はロイターに対し、2021年の売上高が増加するとの自信を示した。企業のクラウドへの移行加速、グローバル・ビジネス・サービス部門の販売回復、ドル安の進行が寄与するという。
同社は分社化の準備を進めている。新生IBMは、自社のデータセンターとリース資産を組みわせてデータの管理・処理を行う「ハイブリッド・クラウド」事業に専念する予定だ。
*内容を追加します。