ニュース速報

ビジネス

日銀審議委員にリフレ派の野口専大教授、政府同意人事案 桜井氏の後任

2021年01月21日(木)14時53分

 1月21日、政府は21日、日銀の政策委員会審議委員に専修大学教授の野口旭氏を充てる人事案を衆参両院の議院運営委員会理事会に提示した。写真は都内で2014年1月撮影(2021年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 21日 ロイター] - 政府は21日、日銀の政策委員会審議委員に専修大学教授の野口旭氏を充てる人事案を衆参両院の議院運営委員会理事会に提示した。各党が賛否を決めた上で、衆参両院の本会議で採決される見通し。リフレ派として知られる野口氏は、3月末に退任する桜井真委員の後任。

野口氏は1958年、北海道生まれ。82年東京大学経済学部卒業。88年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学、同年専修大学経済学部講師。助教授を経て、教授。

従来から大規模な金融緩和と財政出動を主張し、アベノミクスを評価しつつも消費増税には慎重で、2%の物価目標達成前に消費税率を10%に引き上げるのには反対だった。自民党金融調査会で現代貨幣理論(MMT)の勉強会に講師として招かれたこともある。

あるシンクタンク系エコノミストは野口氏をリフレ派と評した上で、「今後、(新型コロナウイルスの)ワクチン普及とともに景気が回復した場合に、テーパリングなど金融政策の正常化観測が浮上する可能性があるが、早過ぎる思惑が出るのを抑えるような人事と言える」と指摘。「株式など金融市場にバブル的な兆候が多少出たとしても、雇用面を重視し、金融緩和を続けるということを示したいのではないか」と語った。

野口氏は主な著書に「世界は危機を克服する-ケインズ主義2.0」、「経済学を知らないエコノミストたち」などがある。

*内容を追加しました。

(竹本能文 取材協力:伊賀大記 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド

ワールド

バイデン氏陣営、選挙戦でTikTok使用継続する方

ワールド

スペイン首相が辞任の可能性示唆、妻の汚職疑惑巡り裁

ビジネス

米国株式市場=まちまち、好業績に期待 利回り上昇は
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中