ニュース速報

ビジネス

米株は利益確定で反落、S&P月間上昇率は11月として過去最高

2020年12月01日(火)07時11分

11月30日、米国株式市場は、利益確定の動きから反落して取引を終えた。S&P総合500種はここ数週間の大幅上昇で月間の上昇率が11月としては過去最高となった。ニューヨーク証券取引所で24日撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

[30日 ロイター] - 米国株式市場は、利益確定の動きから反落して取引を終えた。S&P総合500種はここ数週間の大幅上昇で月間の上昇率が11月としては過去最高となった。

S&P500の主要セクターは大半が下落し、原油安を受けてエネルギーが下げを主導。情報技術はアップルが好調だったことなどから上昇した。

アナリストはこの日の相場下落について、月末のポートフォリオ調整が影響したと指摘。新型コロナウイルスワクチンの開発進展や来年の景気回復への期待を背景に月間のパフォーマンスが好調となる中、利益確定の動きが広がった。

11月は、景気回復局面でアウトパフォームすると予想されるエネルギー、工業、金融株への循環物色を背景にS&P500が10.8%上昇。ダウ工業株30種は11.9%、ナスダック総合は11.8%、それぞれ上昇し、ダウは1987年以来の大幅な月間上昇率を記録。S&P500とナスダックは月間で今年4月以来の大幅上昇となった。

CFRAの首席投資ストラテジスト、サム・ストバル氏は「(きょうの下げは)新型コロナを巡る懸念の高まりと、過去1カ月の上昇を消化しようとする動きが重なった」との見方を示した。

11月はコロナ感染急拡大や経済活動の制限などを背景に労働市場の回復が失速しつつあり、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が12月1日に上院銀行委員会で行う報告や、同2日の地区連銀経済報告、4日発表の雇用統計に注目が集まる。

アザー米厚生長官はこの日、クリスマス前に2種類の新型コロナワクチンの接種が始まる可能性があると述べた。

バイオ医薬品大手モデルナは、開発中の新型コロナワクチンの緊急使用を米食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)に申請すると発表。株価は20%急伸した。

百貨店のメーシーズとコールズはそれぞれ5.9%安、3.9%安。オンラインでの値引き前倒しや新型コロナを巡る不安から、ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)の客足がさえなかった。

調査会社IHSマークイットは、格付け会社S&Pグローバルによる440億ドルでの買収で合意したことを受けて7.4%高となった。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.21対1の比率で上回った。ナスダックでは1.68対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は150億株。直近20営業日の平均は113億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 29638.64 -271.73 -0.91 29854.51 29854.51 29463.64

前営業日終値 29910.37

ナスダック総合 12198.74 -7.11 -0.06 12224.25 12244.65 12027.16

前営業日終値 12205.85

S&P総合500種 3621.63 -16.72 -0.46 3634.18 3634.18 3594.39

前営業日終値 3638.35

ダウ輸送株20種 12450.17 -111.26 -0.89

ダウ公共株15種 861.74 -11.44 -1.31

フィラデルフィア半導体 2663.49 +31.93 +1.21

VIX指数 20.57 -0.27 -1.30

S&P一般消費財 1271.42 -8.73 -0.68

S&P素材 445.41 -4.12 -0.92

S&P工業 741.25 -7.50 -1.00

S&P主要消費財 686.37 -0.46 -0.07

S&P金融 462.45 -9.07 -1.92

S&P不動産 225.82 -1.84 -0.81

S&Pエネルギー 274.42 -15.57 -5.37

S&Pヘルスケア 1276.31 +3.63 +0.29

S&P通信サービス 215.31 -1.68 -0.77

S&P情報技術 2168.10 +14.17 +0.66

S&P公益事業 317.73 -4.73 -1.47

NYSE出来高 19.01億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 26315 - 145 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 26310 - 150 大阪比

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産とマツダ、中国向け新モデル公開 巻き返しへ

ビジネス

トヨタ、中国でテンセントと提携 若者にアピール

ワールド

焦点:「トランプ2.0」に備えよ、同盟各国が陰に陽

ビジネス

午後3時のドルは一時155.74円、34年ぶり高値
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中