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政府支援なければ苦境、ワクチン普及に時間=米リッチモンド連銀総裁
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は23日、新型コロナウイルスワクチンが来年夏まで広範に普及しない可能性があり、政府の追加支援策がなければ家計が苦しむ状況が向こう数カ月間続く恐れがあるという見方を示した。ワシントンのFRB本部で2018年7月撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)
[23日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は23日、新型コロナウイルスワクチンが来年夏まで広範に普及しない可能性があり、政府の追加支援策がなければ家計が苦しむ状況が向こう数カ月間続く恐れがあるという見方を示した。
バーキン総裁は、ワクチンが年内に承認される公算が大きいとしながらも、広範に配布されるのは早くても来年夏になると予想されるため、「向こう数カ月は困難な状態が続くかもしれない」と指摘。回復は「安定的ながらも緩慢」になると述べた。
その上で、財政刺激策がなければ家計の苦境は続くとし、感染拡大で痛手を受けている個人のほか、企業や地方・州政府を的を絞った対策で支援できる余地はあるとした。
英製薬大手アストラゼネカは23日、英オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)の中間結果を発表し、深刻な副作用を起こさず感染を予防できる有効率が約90%だと明らかにした。
バーキン氏は、一部の州や地方自治体がさらなる都市封鎖(ロックダウン)に消極的になるかもしれないが、多くの消費者は消費行動を変えており、一定の活動を控えていると指摘した。
また、米政府は来年も分裂状態が続く見込みで、追加の強力な景気刺激策が打ち出される可能性は低くなっているものの、一段と的を絞った法案が可決する可能性は残されているほか、これまで積み上がっている貯蓄が家計への下支えとなり得ると述べた。