ニュース速報

ビジネス

日本車8社の9月世界生産1.8%増、中国中心にコロナ影響から回復

2020年10月29日(木)17時19分

日本車メーカー8社が29日発表した9月の世界生産は8社合計で前年同月比1.8%増の241万5940台だった。写真は川崎で2016年10月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 29日 ロイター] - 日本車メーカー8社が29日発表した9月の世界生産は8社合計で前年同月比1.8%増の241万5940台だった。新型コロナウイルスの影響を受けていた新車需要が、中国など一部の市場で回復した。米中貿易摩擦の影響、アジア地域の景気低迷などで昨年8月以降、前年割れが続いていたが、14カ月ぶりにプラスに転じた。

メーカー別の世界生産は、トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、SUBARU(スバル)<7270.T>が9月として過去最高だったが、日産自動車<7201.T>が2割減、三菱自動車<7211.T>が4割減となるなど、明暗が浮き彫りになった。

トヨタの世界生産は約12%増の84万1915台で9カ月ぶりに前年を上回り、9月として過去最高を更新した。想定を上回るペースで世界販売が回復。特に中国と米国がけん引した。

ホンダの世界生産も約9.9%増の47万2696台となり、9月として過去最高を記録。国内生産は2.4%増と13カ月ぶりに前年同月を上回った。米国は5.6%増と3カ月連続で前年同月を上回ったほか、中国は約34%伸びて4カ月連続でプラス、9月として過去最高となった。

スバルの世界生産は13%増と3カ月連続でプラス。海外唯一の生産拠点である米国は32.5%増となり、世界生産とともに9月として過去最高だった。国内生産は4.4%増と6カ月ぶりに前年を上回った。

スズキ<7269.T>の世界生産は約19%増と2カ月連続で増加。主力市場のインドが約26%増と2カ月連続でプラスだった。国内生産も約25%増と4カ月連続で増えた。前年は完成検査問題で生産が少なかったことも背景にある。

マツダ<7261.T>の世界生産は1.0%増だった。SUV「CX─30」などの生産が増えた海外が6.7%伸びた。国内は1.7%減だった。小型車「マツダ3」などの生産が落ち込んだ。

ダイハツ工業の世界生産は4.9%減。インドネシアでの落ち込みが続いており、海外生産は約22%減った。一方、国内生産は9.5%増と9月として過去最高だった。登録車の販売が伸び、6カ月ぶりに前年を上回った。

一方、 日産の世界生産は20%減。海外生産が約18%減で、世界・海外ともに昨年10月以降、12カ月連続でマイナスとなった。新型コロナによる需要減でメキシコでの生産が17%減となったほか、米国も新型「ローグ」への生産切り替えで約41%落ち込んだ。国内生産も約32%減と昨年2月以降、20カ月連続で前年を下回った。

三菱自の世界生産は約40%減だった。8月の半減からは回復したが、海外生産が50%ほど落ち込んだほか、国内生産も30%減となった。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中