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パナソニック、テスラ向け新電池の開発着手 事業黒字化も視野
パナソニックの梅田博和CFO(最高財務責任者)は29日、決算発表の会見で、電気自動車(EV)大手の米テスラ向けの新型バッテリーについて「開発に着手している」と明らかにした。テスラ事業は、通期での黒字化を視野に入れているという。写真は米ラスベガスでのイベント、1月撮影(2020年 ロイター/Steve Marcus)
[東京 29日 ロイター] - パナソニック<6752.T>の梅田博和CFO(最高財務責任者)は29日、決算発表の会見で、電気自動車(EV)大手の米テスラ
梅田CFOは、パナソニックには電池の高容量化や安全性の高さに強みがあると説明。「テスラからの強い要請もある。我々の目指す姿とも一致する。開発をしっかりやっていく」と述べた。テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が新型電池「4680」の構想を公表した直後から開発に着手し、試作ラインの準備も進めているという。
同社はテスラと共同運営する米電池工場「ギガファクトリー」での増産を決めたが、マスク氏の構想では増産後の38―39ギガワットアワーの生産能力の80倍が必要になる。梅田氏は「1社でまかなえるものではない。我々の強みのある分野で競争していきたい」と述べた。
テスラ向けが中心の車載用の円筒形電池事業は7―9月期に黒字化した。梅田氏は、通期でもテスラ事業の黒字化を視野に入れていると述べた。高容量化やライン増強を進める局面でもあるため、今期の黒字化の可能性は「今の時点では微妙な線」としたが増産体制が整うのに伴い「2―3年のうちに5%程度の利益率が視野に入ってくる」とした。
同日発表した2020年4─9月の連結営業利益(国際会計基準)は、前年同期比31.1%減の966億円だった。新型コロナウイルスの影響で売上高が国内外で減り、コスト削減をしたものの減益となった。売上高は前年同期比20.4%減の3兆0591億円だった。
21年3月期通期の営業利益予想は前年同期比48.9%減の1500億円のまま据え置いた。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均は1500億円。