ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、9月速報値は50.1に低下 サービス部門50割れ

2020年09月23日(水)18時33分

[ロンドン 23日 ロイター] - IHSマークイットが発表した9月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値は、総合PMIが50.1となり、前月の51.9から低下した。新型コロナウイルス感染再拡大を受けてサービス部門が再び落ち込んだ。

景況の拡大・悪化の分かれ目となる50をかろうじて上回ったものの、ロイターがまとめた市場予想中央値(51.7)を大きく下回った。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「新型コロナ感染拡大でサービス部門の活動が再び低迷する中、ユーロ圏の景気回復は9月に足踏みとなった」と説明。「製造部門が需要増による生産拡大を報告する一方、サービス部門が再び50割れとなり、『ツー・スピード・エコノミー』が明白となった」と述べた。

9月のサービス部門PMI速報値は50.5から47.6に低下し、予想の50.5を下回った。需要が減少する中、サービス企業は7カ月連続で従業員を削減。雇用指数は47.8から47.6に低下した。

一方、ユーロ圏製造業PMI速報値は51.7から53.7に上昇。2年強ぶりの高水準となったほか、予想の51.9を上回った。サービス部門が全ての予想を下回ったのと対照的に、製造部門は全ての予想を上回った。

総合PMIの構成指数をみると、生産指数は55.6から56.8に上昇。2018年初め以来の高水準となった。

ただ、製造部門では需要が18年2月以来の高水準まで拡大したものの、人員は削減された。新規受注指数は55.4から57.1に上昇し、製造部門の回復継続を示唆した。

全般的な楽観ムードはさらに盛り上がっており、総合将来生産指数は57.8から60.3に上昇。新型コロナ流行の影響が完全に表れる直前となる2月以来の高水準となった。

ウィリアムソン氏は「向こう1年の企業見通しがさらに改善したことは心強いが、この楽観ムードは感染率の低下を当てにしたもので、今後数カ月の低下は依然として保証されていない」と警戒感も示した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調

ワールド

ロシア凍結資産の利息でウクライナ支援、米提案をG7

ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のAD
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中