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ドル上昇、FRBが見通し引き上げ 円は内閣発足受け104円後半

2020年09月17日(木)06時24分

ニューヨーク外為市場では不安定な値動きの中、ドルが上昇した。2016年11月撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では不安定な値動きの中、ドルが上昇。米連邦準備理事会(FRB)が16日までに開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でゼロ金利政策を維持すると同時に、当面の経済見通しを引き上げたことが材料視された。

FRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置き、インフレ率が「当面、(2%目標を)緩やかに超える」軌道にあると判断するまで、低金利を維持する方針を示した。また、今年の経済成長率見通しについては、マイナス3.7%と、6月予想時のマイナス6.5%から落ち込み幅を大幅に縮小した。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「FRBはハト派的なスタンスとインフレ動向が政策見通しの鍵を握るという見方を強調した。実にハト派色が強い」としつつも、今年の経済見通し引き上げがドルの下値を支えたと指摘した。

ドル指数<=USD>は0.07%高の93.19。

ユーロ/ドルは0.41%安の1.1797ドル。

一方、円は対ドルで104.81円と、2カ月半ぶりの高値を付けた。

フォレックスライブのチーフ為替アナリスト、アダム・ボタン氏は「日本政治を巡る不透明性が円への主要な追い風となっている。安部首相の退任を受け、日本の投資家がリスクを低減させる中、円買いが強まっている」と述べた。

菅義偉新内閣は16日に発足。新型コロナウイルス対策を最優先で進めるとし、国民全員にワクチンを確保することなど、安倍前首相が退任前にまとめた政策に取り組む考えを示した。

オフショア人民元も対ドルで6.7426元に上昇し、昨年5月以来の高値を更新。前日発表された8月の中国鉱工業生産が8カ月ぶりの高い伸びを記録し、小売売上高が今年初めてのプラスとなったことを受け、他国が米国より速いペースでコロナ禍からの景気回復を遂げるとの見方が広がり、ドルへの圧迫材料となっている。

ドル/円 NY終値 104.94/104.9

6

始値 105.03

高値 105.14

安値 104.81

ユーロ/ドル NY終値 1.1814/1.181

8

始値 1.1867

高値 1.1876

安値 1.1789

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