ニュース速報

ビジネス

英CPI、8月は前年比+0.2% 飲食店支援制度で約5年ぶり低い伸び

2020年09月16日(水)18時50分

[ロンドン 16日 ロイター] - 8月の英消費者物価は、政府の支援措置で外食コストが下がったことが影響し、約5年ぶりの低い伸びにとどまった。

英国立統計局(ONS)が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%上昇。上昇率は前月(1.0%上昇)から大きく鈍化し、2015年12月以来、約5年ぶりの低水準となった。

ロイターがまとめたエコノミストの予想は前年比変わらずだった。

CPIはこれで英中銀の目標を13カ月連続で下回ったことになる。

インフレ鈍化の主因は、新型コロナウイルス流行に伴う政府の飲食店支援制度「Eat Out to Help Out」。同制度は飲食代金を最大10ポンド(12.89ドル)値引きするもので、8月は1億回以上の食事に適用された。

レストラン・カフェの価格は前年比2.6%下落。1989年の統計開始以来初のマイナスとなった。

KPMGのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「9月は飲食店支援制度が終了するため、インフレが上向くと予想するが、総合インフレ率は当面、英中銀の目標を大きく下回り続けるだろう」と述べた。

航空運賃の下落や、衣料価格の上昇が控えめだったことも下押し要因となった。

ONSによると、CPI構成項目のうち、8項目のデータが算出できなかった。劇場やサッカー試合のチケット、競馬イベントへの入場、50人を超える人々向けのケータリングなどが依然禁止されていることが影響している。

ロックダウン(都市封鎖)が最も厳しかった4月には90項目が入手できなかった。

8月の生産者物価産出指数は前年比0.9%低下。過去4年で最長となる5カ月連続の低下となった。石油価格の下落が影響した。

石油など変動の激しい項目を除外したコア産出指数は前年比変わらずで、ここ約5年で最も弱い数字となった。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英インフレ率目標の維持、労働市場の緩みが鍵=ハスケ

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵

ワールド

スパイ容疑で極右政党議員スタッフ逮捕 独検察 中国
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中