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鉱工業生産、6月は前月比2.7%上昇 自動車増産で下げ止まり

2020年07月31日(金)10時17分

 7月31日、経済産業省が発表した6月鉱工業生産指数速報は前月比2.7%上昇となった。ロイターの事前予測調査では同1.2%上昇と予想されており、これを上回った。写真は川崎市の京浜工業地帯で2009年4月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日発表した6月鉱工業生産指数速報は前月比2.7%上昇となった。5カ月ぶりの増加。ロイターの事前予測調査では同1.2%上昇と予想されており、これを上回った。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大幅な生産調整を行っていた自動車の生産回復が寄与した。もっとも、企業側の計画通りに今後増産が続いても、新型コロナ感染拡大前の生産水準の回復は難しい状況。4-6月の四半期ベースでは前四半期比16.7%低下し、現行の2015年基準で最大のマイナス幅となった。

<コロナ前の生産水準回復、時間要する>

生産予測指数は7月が前月比11.3%上昇、8月が同3.4%上昇となった。企業の生産計画は上振れ傾向があるが、これを考慮した経産省の試算値でも、7月は前月比3.1%上昇する見通し。このため経済産業省は、生産の基調判断を「生産は下げ止まり、持ち直しの動き」に修正した。

もっとも、生産予測には「最近の新型コロナウイルスの感染者増加の影響は入っておらず、8月以降の生産動向を注視する必要がある」(経産省幹部)という。

また、仮に生産予測が実現しても8月の水準は93となり、今年3月の実績95.8を下回る。「新型コロナ感染前の水準回復には時間がかかる」(同)見通しだ。

6月の鉱工業生産は、自動車、生産用機械、プラスチック製品などが増加した。化学、パルプ・紙などは減少した。特に増産したのは主に自動車工業。内外経済活動再開を受けた生産調整からの回復が寄与した。

一方、化学やパルプなどは定期修理による減産が影響した。

6月の鉱工業出荷は前月比5.2%上昇と4カ月ぶりにプラスとなり、現行基準で最大のプラス幅となった。6月の鉱工業在庫は前月比2.4%低下し、3カ月連続のマイナス。自動車や電子部品の在庫減が寄与した。

*指標の詳細とグラフィックを追加しました

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html [http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html]

※過去の関連記事はJPIP1=ECI [reuters://REALTIME/verb=Headlines/ric=JPIP1=ECI]JPIP4=ECI [reuters://REALTIME/verb=Headlines/ric=JPIP4=ECI]でご覧になれます。

(竹本能文 編集:山川薫)

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