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NY市場サマリー(7日)ドル上昇、米株下落

2020年07月08日(水)06時47分

[7日 ロイター] -

<為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対し上昇。新型コロナウイルス感染の再拡大を巡る懸念が広がる中、リスク選好の動きが後退した。

ドル指数<=USD>は0.15%上昇の96.889。

一方、豪ドルやノルウェークローネ、スウェーデンクローナなどの高リスクと見なされる通貨は軒並み下落した。

アクション・エコノミクスの世界為替分析のマネジングマネジャー、ロナルド・シンプソン氏は「新型コロナ感染再拡大で世界の経済再開に遅れが生じていることを背景に、相場を動かす指標に欠く中、経済成長見通しを再考する動きが出た」と述べた。

オーストラリア第2の都市メルボルンは同日、ロックダウン(都市封鎖)の再導入に踏み切った。

米国では前日、新型コロナ感染症による死者が13万人を突破。フロリダ州マイアミデイド郡は経済再開に向けた動きを停止し、郡内のレストランにおける店内飲食を禁止する緊急令を発令した。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は前日、国内の新型コロナウイルス感染は「迅速な対応を要する深刻な状況」との認識を示した。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁はこの日、国内の新型コロナ感染者の急増により、経営者が「再び神経質になっている」と述べた。

英ポンドは対ドルで0.51%上昇。同日予定される英・欧州連合(EU)の通商交渉担当による夕食会で妥協点を見いだすとの期待が追い風となった。

<債券> 米金融・債券市場では利回りが低下。新型コロナウイルス感染急増で早期経済再開への懸念が強まった。

午後の取引で米10年債利回りは3.3ベーシスポイント(bp)低下の0.6512%。この日は主要株価指数も下落した。

アクション・エコノミクスのシニアエコノミスト、キム・ルパート氏は「ダウとS&P500の下げで、国債には安全資産買いがやや入っている」とし、新型コロナへの警戒という見方を示した。

フロリダ州マイアミデイド郡は6日、感染急増を受けて経済活動再開に向けた動きを停止し、郡内のレストランに店内飲食の禁止を指示。また、国内の死者は13万人を突破した。

この日は原油価格も下落。感染増が燃料需要に影響すると懸念された。

3年債利回りは0.1886%と1bp未満の低下。財務省は460億ドル規模の3年債入札を実施し、最高落札利回りは0.19%だった。

BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ベン・ジェフリー氏は、ディーラー以外の入札が平均の62.8%を上回る67.6%を占め、需要の高さを示していると顧客メモで指摘。

また、0.19%という最高落札利回りは発行済みの3年債の中で最低で、全ての国債利回りが年初の水準を大きく下回っていることを反映しているとも述べた。

2年債と10年債の利回り格差は49bp。前日から約3bp縮小し、6月中旬以降の水準で推移した。

金利期待に連動するとされる2年債利回りは0.1626%と1bp未満の上昇だった。

<株式> 米国株式市場は下落して取引を終えた。新型コロナウイルスの国内新規感染者数が一段と増加したことを受け、利益確定売りが優勢となった。S&P総合500種<.SPX>が前日まで今年最長の続伸となっていた反動も出た。

米国内では大きく地域で感染者が大幅に増加している。ニューヨーク州のクオモ知事は7日、感染が再拡大しているデラウェア、カンザス、オクラホマ3州からの訪問者を新たに14日間の自主隔離の対象にすると発表した。

ベアードの市場ストラテジスト、マイケル・アントネッリ氏は「5日続伸後、新型ウイルスへの懸念と(クリーブランド地区連銀の)メスター総裁が景気回復に時間がかかると発言したことを受けて、やや押し戻された」と述べた。

メスター総裁は7日、新型コロナ感染が全国的に再拡大していることで消費者は一段と慎重になっているとし、米経済が感染拡大による危機から完全に回復できるよう、政府は一段の財政刺激策を実施する必要があるとの考えを示した。

米国株はこのところ上昇が続き、前日にはS&P500が5営業日続伸を記録。国内感染は急増しているが、相次ぐ好調な経済指標が景気回復期待を後押しした。

ナスダック総合<.IXIC>はこの日も日中の最高値を更新。マイナス圏で引けたが、取引時間の大半はプラスで推移した。

投資顧問会社アラン・B・ランツ・アンド・アソシエーツのアラン・ランツ社長は、多少の後退は健全だとし、「3月安値からの信じ難い反発を受けて、下降局面では利食いやボラティリティーが高まるだろう」と見通した。

個別株ではウォルマートが6.8%高。アマゾン・ドット・コムのプライムサービスに対抗する会員制プログラムに関する報道を受けた。

バイオ医薬のノババックスは31.6%急騰。新型コロナワクチンの臨床試験や実用化、製造を支援するため、米政府が16億ドルの資金を提供する。

<金先物> 7日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、投資家のリスク選好姿勢が後退する中、安全資産としての需要から買われ、3営業日続伸となった。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比16.40ドル(0.91%)高の1オンス=1809.90ドルと、中心限月としては2011年9月以来約8年10 カ月ぶりの高値を更新した。

7日未明の外国為替市場では、ドル買い・ユーロ売りが活発化。ドル建てで取引される金塊は割高感に圧迫され、早朝には一時1781.20ドルの安値を付けた。金塊相場はその後もマイナス圏で推移していたが、米株価が下落して始まると買い戻しが優勢となり、反転上昇。1800ドルの節目を再び突破し、午前に一時1810.80ドルまで上げ幅を拡大した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に歯止めがかからず、景気低迷が長期化するとの懸念が引き続き金塊の先高感を後押しし、相場は午後に入っても高値圏で推移した。

<米原油先物> 7日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ほぼ横ばいとなった。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値は前日比0.01 ドル(0.02%)安の1バレル=40.62ドルだった。9月物は0.03ドル安の4 0.70ドルとなった。

米国南部や西部を中心に新型コロナの新規感染者数が増え続けていることから、米景気先行き懸念も根強く、原油の上値は重かった。外国為替市場でドルが対ユーロで若干上昇したことも、ドル建てで取引される原油などの商品の割高感につながった。翌8日発表される3日までの1週間の原油在庫は減少が見込まれている。ロイター通信 暫定版調査によると、原油在庫は340万バレル減と予想されている。

ドル/円 NY終値 107.51/107.53

始値 107.69

高値 107.71

安値 107.51

ユーロ/ドル NY終値 1.1270/1.1274

始値 1.1276

高値 1.1307

安値 1.1269

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 96*30.00 1.3754%

前営業日終値 95*11.00 1.4420%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.50 0.6397%

前営業日終値 99*14.00 0.6840%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.25 0.2864%

前営業日終値 99*23.00 0.3070%

2年債(指標銘柄) 16時43分 99*29.75 0.1606%

前営業日終値 99*29.75 0.1610%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 25890.18 -396.85 -1.51 <.DJI>

前営業日終値 26287.03

ナスダック総合 10343.89 -89.76 -0.86 <.IXIC>

前営業日終値 10433.65

S&P総合500種 3145.32 -34.40 -1.08 <.SPX>

前営業日終値 3179.72

COMEX金 8月限 1809.9 +16.4 <0#GC:>

前営業日終値 1793.5

COMEX銀 9月限 1869.9 +11.7 <0#SI:>

前営業日終値 1858.2

北海ブレント 9月限 43.08 ‐0.02 <0#LCO:>

前営業日終値 43.10

米WTI先物 8月限 40.62 ‐0.01 <0#CL:>

前営業日終値 40.63

CRB商品指数 141.5618 +0.6641 <.TRCCRB>

前営業日終値 140.8977

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