ニュース速報
ビジネス
航空各社、需要喚起で運賃値下げ 収益に一段の打撃=IATA
国際航空運送協会(IATA)は3日、各国で移動規制の緩和が進み航空便が再開する中、航空各社が利用者を増やすために航空運賃を引き下げているとし、今後各社の収益を一段と圧迫するとの見方を示した。写真はメキシコ市の国際空港に駐機するボーイング機。2019年12月撮影(2020年 ロイター/Henry Romero)
[パリ 3日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)は3日、各国で移動規制の緩和が進み航空便が再開する中、航空各社が利用者を増やすために航空運賃を引き下げているとし、今後各社の収益を一段と圧迫するとの見方を示した。
IATAによると、5月の国内旅客輸送は、新型コロナ感染拡大に伴う渡航規制でほぼ全ての便が停止していた4月の水準から約30%回復した。
その後の運航再開に伴い、各社は5月に航空運賃を平均23%値下げした。
IATAの首席エコノミスト、ブライアン・ピアース氏は「航空各社は、(新型コロナ)危機で手元資金を必要としており、安い航空運賃を提供することで利用者を増やそうとしている」と説明。新型コロナ対策などで各社のユニットコスト(座席キロあたりのコスト)は既に膨らんでおり、運航が再開される中、各社にとり厳しい時期になるとの見方を示した。
IATAは、多くの航空会社が黒字化するのはずっと先になると予想している。
一方、アジア地域の状況は着実に改善しており、中国、韓国、ベトナムの国内便は前年の25%程度まで回復したという。
北半球では通常3月から夏休みの予約が増え始めるが、先月回復が始まったに過ぎないとし、グーグルを使った航空便の検索は1月の水準を60%下回っていると説明した。