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アジア株式市場サマリー:引け(2日)

2020年06月02日(火)20時13分

[2日 ロイター] - 東南アジア株式市場は、大半が続伸して引けた。米中関係の悪化や米国のデモ隊暴徒化といった世界の不安材料より、域内の経済活動再開が重視された。

シンガポールのストレーツ・タイムズ指数(STI)の終値は2.38%高の2611.63と、ここ1カ月の最高値を付けた。

ジャカルタ市場の総合株価指数は1.98%高の4847.507と、3月中旬以来の高値で終了。金融株が指数上昇に寄与した。セントラル・アジア銀行(BCA)は3.3%高となった。

マニラ市場の主要株価指数PSEiは1.60%高の6025.17と、約3カ月ぶり高値で引けた。大型株のSMインベストメンツ・コープやセキュリティー銀行の上昇が指数上昇をけん引した。

クアラルンプール市場の総合株価指数KLCIの終値は1.18%高の1507.69と、2月第3週以来の高値。バンコク市場のSET指数は1.61%高の1374.18と、3カ月ぶり高値で終了した。

ジャカルタ市場とクアラルンプール市場、マニラ市場は5日続伸。バンコク市場は3日続伸、シンガポール市場は2日続伸した。

一方、ホーチミン市場のVN指数は一進一退の展開となり、終値は0.44%安の874.8と、4日ぶりに反落した。

中国株式市場は続伸して終了した。新たな景気支援策への期待が強く、米中関係の緊張は重視されなかった。

浙商証券のアナリスト、チャン・ヤンビン氏は「経済が新型コロナウイルスの影響から脱しつつあり、株式市場はこの先数日間も安定的な上昇が期待できる」と述べ、米中関係の緊張はあまり重視されていないとの見方を示した。

業績回復への期待から複数の大手酒造メーカーが上場来高値を記録した。

香港株式市場も、中国政府の支援策期待で続伸し、約2週間ぶりの高値水準となった。

ソウル株式市場は続伸して引けた。米中関係の悪化や米国の抗議デモをめぐる不安をよそに、世界的な景気回復期待を背景に上昇した。

総合株価指数(KOSPI)の終値は前日比22.11ポイント(1.07%)高の2087.19と、2月25日以来、14週間ぶりの高値を付けた。

富国証券のアナリストは、米中関係の悪化や米国のデモを投資家は慎重に注視しているものの、株価への影響は限定的である印象だと語った。

この日は造船株が最大18%高まで上昇。カタール国営石油会社カタール・ペトロリアム(QP)が韓国造船大手と、190億ドル相当の運搬船建造契約を締結したことが材料視された。

海外勢は462億ウォン(約3768万ドル)相当の売り越し。

シドニー株式市場は続伸して引けた。新型コロナウイルスの危機的状況による打撃は当初警戒されたほど深刻ではないとの見方をオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が改めて示し、迅速な景気回復への期待が新たに高まった。ただ米中関係の悪化をめぐる警戒感のくすぶりが上値を抑えた。

RBAは前週、経済の落ち込みが当初の想定ほど深刻にならない可能性があるとの認識を表明した。この日は過去最低となっている政策金利の据え置きを決め、前週表明した認識を繰り返した。

ウエストパック銀行とRBCキャピタル・マーケッツのアナリストらは、中銀の声明はやや上向きの内容だったとし、全般には市場予想の通りだったとの見方を示した。

新規感染者数の著しい減少や予想よりも早い封鎖措置の緩和なども、投資家心理を改善した。

金融株指数は0.2%高、IT株指数は1.3%高。

また、後払いサービス会社ジップは41%高と急騰し、上昇率が約5年ぶりの大きさとなった。同業クオードペイの買収で合意し、米国市場への参入に道が開かれたことが好感された。

(リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります)

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