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中国、環境債発行の認定基準から「クリーンな石炭利用」を除外

2020年05月29日(金)15時14分

[上海 29日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は29日、環境に配慮した事業に資金使途を限る「グリーンボンド(環境債)」の認定基準の改定案を公表し、「石炭のクリーンな利用」を除外した。

中国がグリーンボンドの発行を認める事業のリストを前回公表したのは2015年で、改定版が長く待ち望まれていた。人民銀の通知によると、6月12日まで改定案への意見を公募する。

従来の基準では石炭から不純物を取り除く工場や石炭を燃焼する過程で汚染を減らす技術など、「石炭のクリーンンな利用」を使途とするグリーンボンドの発行が認められていたが、世界の基準と食い違っているとして、海外投資家の一部や環境団体から異論が出ていた。

中国の金融機関は昨年、石炭関連プロジェクトに数十億元を提供しし、製油所の拡張といった他の化石燃料関連事業も支援した。

新たなグリーンボンドの認定基準では、冬季の暖房燃料として環境汚染が少なめのエネルギーを石炭に代替させるプロジェクトも対象に含まれた。製鋼所に義務付けられている温室効果ガス排出を抑える技術の更新のための資金調達でも環境債が使用可能になる。

この他、自転車とスクーターのシェアリングサービス、中国国内の排出権・グリーン電力証書取引部門への支援も対象に含まれた。

ロイター
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