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日銀、19年度剰余金1兆2952億円 国庫納付18年ぶりの水準に増加

2020年05月27日(水)18時51分

 5月27日、日銀が発表した2019年度決算によると、最終利益に当たる当期剰余金は1兆2952億円の黒字と前年度比2.2倍となった。写真は都内で2017年6月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 27日 ロイター] - 日銀が27日発表した2019年度決算によると、最終利益に当たる当期剰余金は1兆2952億円の黒字と前年度比2.2倍となった。円高進展で経常利益が減ったものの、イールドカーブ・コントロールに伴う収益の振れを平準化するための債券取引損失引当金の積み増しを前年度より少なくしたことなどが押し上げた。当期剰余金から法定準備金と配当金を差し引いた国庫納付金は1兆2305億円で、2001年度以来の大きさとなった。

経常利益は前年度比3633億円減の1兆6375億円となった。為替相場で円高が進み、外国為替関係損益で2144億円の損失となったことが利益を圧迫した。国債の利息収入は1兆1960億円で前年度比879億円増えた。

外国為替関係損益で損失が出たことで、外国為替等取引損失引当金を1072億円取り崩した。債券取引損失引当金は3837億円で、前年度の8154億円より大幅に少なく計上した。

19年度末の自己資本比率は8.79%で、前年度末の8.71%から上昇した。

<ETF評価益は10分の1以下に、3月の積極購入で>

大規模な金融緩和の継続により、3月末の資産残高は前年度末比8.5%増の604兆4846億円となった。8年連続で過去最大。資産別では、外国為替が前年度比3.9倍の25兆9662億円。3月に海外中銀との協調でドル資金を供給したことで急増した。国債は485兆9181億円で15兆9642億円増えた。

上場株式投信(ETF)の保有額は29兆7189億円で4兆9340億円の増加。3月末の評価益は3081億円で、前年度末の3兆9124億円から10分の1以下に縮小した。評価益としては2011年度以来の低水準。新型コロナウイルスの世界的流行で株安傾向が強まった3月にETFを積極購入したことが響いた。日銀の試算によると、ETFの損益分岐点は日経平均で1万8500円程度。

不動産投資信託(REIT)の保有額は5753億円。初めて159億円の減損を計上した。

運用資産合計の利回りは0.242%で、前年度の0.269%から低下。国債の運用利回りも0.276%から0.247%に低下した。いずれも過去最低を更新した。

*内容を追加して再送します。

(和田崇彦 編集:石田仁志)

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