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NZ金融システムは堅固、逆境下でも経済支援へ=中銀金融安定報告
[ウェリントン 27日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は27日公表した半期に1度の金融安定報告で、同国の金融システムは新型コロナウイルス流行による経済への深刻な打撃を乗り越え、経済再建を支援できるほど堅固な状態にあるとの認識を示した。
中銀はまた、国内銀行は資本と流動性の面で強固なバッファーを備えていると指摘。ただ、今後数カ月以内で貸し倒れが現行水準よりも増えるにつれ、銀行のレジリエンス(対応力)が試されるとした。
中銀のオア総裁は同報告で「われわれの経済ストレステスト分析では、銀行はさまざまな逆境シナリオ下でも融資を続け、成長を継続できることが示された」と説明。
収入を失った企業を短期的に支援するNZ政府の賃金助成制度と中銀の量的緩和政策は、新型コロナ危機の金融システムへの影響を和らげていると指摘した。
NZ中銀は3月の緊急利下げで政策金利を75ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の0.25%に設定。その後、資産買い入れの規模を600億NZドルに拡大した。
中銀は金融安定報告で、一連の支援策にもかかわらず、深刻な収入減に見舞われる世帯や企業が出てくることになると指摘。特に観光業は渡航制限やソーシャルディスタンシング措置によって売り上げや事業が打撃を受けており、回復までにより長い時間がかかるとの見方を示した。
中銀はまた、今年下半期に見込まれる回復を考慮しても、今年の国内総生産(GDP)のマイナス幅は少なくとも過去160年で最大になると予想した。
ニュージーランドは新型コロナ感染拡大防止のため、7週間近く国境を封鎖し、世界で最も厳格な水準の移動制限を導入。新型コロナ感染症による死者を21人、感染者を約1500人に抑えた。現在、大半の制限措置は解除されている。
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