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部品揃い次第、6月の国内四輪生産6万台以上を計画=スズキ
5月26日、スズキの鈴木俊宏社長は、海外部品の調達の遅れで生産量を調整している国内の四輪生産について「バックオーダーを抱えており、部品が揃いさえすれば、生産を継続する」と述べた。写真はスズキのロゴ。2012年11月、米カリフォルニア州ナショナル・シティーで撮影(2020年 ロイター/Mike Blake)
[東京 26日 ロイター] - スズキ<7269.T>の鈴木俊宏社長は26日、2020年3月期(前期)決算会見で、海外部品の調達の遅れで生産量を調整している国内の四輪生産について「バックオーダー(在庫がなく未納の注文)を抱えており、部品が揃いさえすれば、生産を継続する」と述べた。
鈴木修会長は「6月ならば、国内生産は軌道に乗り6万台以上の生産を計画している」との見通しを示した。
鈴木社長は同日の電話会見で、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりフィリピンやインドで生産している部品が少し滞っており、国内で生産調整を実施していると説明、「部品の物流を注意深く見ていく」と語った。
サプライチェーンの今後のあり方について鈴木社長は、在庫を従来より増やしておくほか、「当社にもリスクはあるが、サプライヤーの工場を2カ所、2カ国に分けてもらうことも考えてもらわなければいけない」との認識を示した。一方、新型コロナで苦しい状況に置かれているサプライヤーがあれば「資金援助なども含めて手を差し伸べたい」と述べた。
7月に予定していたインド・グジャラートの新工場の稼働開始は「遅らせる」(鈴木社長)。開始時期については新型コロナの状況を見ながら判断する。
主力のインド市場では、新型コロナの影響でロックダウン(都市封鎖)が実施されたため、鈴木会長は「インドは大変な危機」と指摘し、同国での四輪売り上げは「4月まではゼロ、5月はせいぜい1万台前後」と説明した。世界的にコロナショックは続くとみているが、国内生産など7月以降から9月にかけて挽回したいとの意気込みを示した。
<前期は3年ぶり減収、2年連続減益>
同社は21年3月期の連結業績予想や配当予想、販売計画の発表を見送った。新型コロナの影響について合理的な算出が難しいため。同時に発表する予定だった新中期経営計画の公表も見合わせた。
同日発表の前期連結決算によると、純利益は前年比約25%減の1342億円だった。期末配当は1株当たり普通配当37円に創立100周年の記念配当11円を加えて48円とした。中間配当37円と合わせると、年間では85円となる。
前期の営業利益は約34%減の2151億円。新型コロナによる影響が128億円押し下げた。純利益、営業利益ともに2年連続で減益。売上高は9.9%減の3兆4884億円と3年ぶりに減収。世界四輪販売は約14%減の285万2000台。インドは18%減、日本は7.3%減、パキスタンは35%減だった。
(白木真紀)