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新型コロナ終息後の景気回復に慎重論=FRB各地区連銀総裁

2020年04月09日(木)09時51分

4月8日、米連邦準備理事会(FRB)の複数の当局者は、新型コロナウイルスの感染拡大が終息しても、急ピッチな景気回復を予想できない可能性があるとの見通しを示した。ニューヨークで7日撮影(2020年 ロイター/Eduardo Munoz)

[サンフランシスコ/ワシントン 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の複数の当局者は8日、新型コロナウイルスの感染拡大が終息しても、急ピッチな景気回復を予想できない可能性があるとの見通しを示した。

ダラス地区連銀のカプラン総裁はロイターとの電話インタビューで「今回のショックで、消費者の行動は以前より慎重なものになるのだろうか」とし「安全に対する懸念だけではなく、家計や、場合によっては仕事に対する不安で、貯蓄を増やし支出を減らす可能性がある」と指摘。

こうした警戒感が経済回復力の重しとなり、今年末時点の国内経済は昨年末との比較で4-5%前後縮小しているとの見通しを示した。

トランプ大統領は8日、米経済を「ビッグバン(大爆発)」的に再開させたい意向を表明。FRBや政府は前例ない経済対策を打ち出している。

シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は8日、感染拡大防止に向けた措置が順守され、政府による家計や企業への支援策が奏功すれば、下期に景気回復が始まる可能性があると指摘。

ただ、少なくともワクチンが開発され利用が可能になるまでは、回復力の鈍い状態が続く可能性があるとの考えも示唆。感染拡大が続く間は「深刻な(景気低迷の)長期化」が最大のリスクだと指摘した。

エバンズ総裁は、「相対的に慎重な形で」夏までに経済活動の再開が始まったとしても、新型コロナの検査や感染者の追跡を通じて感染拡大に歯止めをかけられなければ、経済活動が再び停止する傾向が強まる恐れがあるとの見方も示した。

リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は8日、いかなる回復も、サービス業を中心として消費者の間にいかに安心感が広まるかにかかっていると指摘。「企業は、安心して買い物や外食に出掛けたり、旅行に出たりできると消費者を納得させるための方策を模索する必要がある」と述べた。

バーキン総裁は、レストランで客と接触しない形で料理を提供したり、席と席の間隔を広げるといった対策が可能ではないかと指摘。航空機の運航では中央の座席を空席にすることも考えられると述べた。

その上で「こうした変更の多くはコストと値段の上昇につながる恐れがあるが、人々を安心させ、経済活動を元に戻す効果があるかもしれない」と述べた。

ロイター
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