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NY市場サマリー(6日)

2020年04月07日(火)06時56分

[6日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、新型コロナウイルスに感染したジョンソン英首相が集中治療室(ICU)で治療を受けていると伝わり、英ポンドが対ドルと対ユーロで下落した。

英首相官邸は6日、ジョンソン首相(55)がICUで治療を受けていると発表。「午後に首相の症状が悪化し、医療チームの助言によりICUに移された。首相は筆頭国務大臣であるラーブ外相に、必要に応じて代理を務めるよう要請した」という。

ポンドは対ドルで1.225ドルと、発表前の1.230ドルから下落。ユーロは0.881ペンスに上昇した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの外為ストラテジスト、イラン・ソロット氏は「ジョンソン氏が公務復帰できなければ、状況はやや混乱する」とし、事態を見守る必要があると述べた。

OANDAの市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「緊急の権限継承計画がどのようなものかは定かではない。市場は不透明さを嫌い、さらなる新型コロナ対策や欧州連合(EU)離脱交渉にとって良くない」と懸念した。

<債券> 米金融・債券市場では、新型コロナウイルス感染拡大のホットスポットとなっているニューヨーク州とニュージャージー州で危機的な状況が安定化に向かっている可能性が示されたことで、資金が株式に流れ、国債価格は下落した。

終盤の取引で10年債利回りは7.8ベーシスポイント(bp)上昇の0.6666%。一方、米株式市場では主要3指数はそろって前日比5%を超えて上昇している。

米当局者は新型ウイルス感染による国内の死者数が「ピークになる週」を迎えると警戒感を示しているものの、ニューヨーク州のクオモ知事はこの日、州内の新型ウイルス感染者の入院が減少し、死者の増加が横ばいになったと表明した。

DRWトレーディング(シカゴ)のストラテジスト、ルー・ブライエン氏は米株価の上昇が「米国債価格が低下し、利回りが上昇していることの最大の理由に他ならない」と指摘。市場ではコロナ危機が継続する期間は若干短くなるという見方が出ている可能性があると述べた。

この日はこのほか、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長が、新型ウイルス感染拡大による経済的影響に対処する米国債発行の可能性を討議していると明らかにした。

<株式> 米国株式市場は急反発し、ダウ平均株価<.DJI>は1627ドル値上がりした。主要株価3指数は軒並み7%超高と、1日の上昇率としては3月24日以来の高さを記録した。ニューヨーク州で新型コロナウイルス感染症の死者数が横ばいとなり、新型コロナ危機が安定化しつつあるとの期待が高まった。

ニューヨーク州のクオモ知事によると、同州の新型コロナ感染症による死者は前日から599人増え4758人。5日の増加数は594人、先週3日は630人だった。人工呼吸器を利用するために必要な挿管や集中治療室(ICU)の利用減少と共に入院も減少しているとし、新型コロナ死者に関する「曲線が平坦化しつつある可能性」を示唆していると指摘した。

しかし、全米での新型コロナ感染症による死者は1万人を突破し、予断を許さない状況が続いている。

CFRAリサーチの首席投資ストラテジスト、サム・ストボール氏は、相場の基調は引き続き低調だが「市場は今後の状況に目を向け、半年後には上向くことを見込んでいるようだ」と指摘した。

ダウ構成銘柄は全てプラス圏で取引を終了。ボーイングは約19%急伸し、全体の上昇を主導した。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う根強い景気減速懸念を背景に買いが優勢となり、3営業日続伸した。

日本では安倍晋三首相が6日、新型コロナの感染拡大を受け、総額108兆円規模の緊急経済対策を実施すると発表。7日には東京など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令する方針だ。実施期間は同日から5月6日までの1カ月間となる。

米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)の集計によると、新型コロナによる世界全体の死者は6日時点で7万人を突破。感染者数は130万人に達した。経済活動の長期的な停滞で景気が大幅に落ち込むとの懸念が、安全資産とされる金にとっては引き続き支援材料となっている。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の緊急テレビ会合が延期となったことで減産合意への期待が後退し、3営業日ぶりに反落した。

先週、主要産油国のサウジアラビアは、原油価格の低迷を受け、OPECプラスの会合の開催を要請。対立していたロシアも応じ、6日にテレビ会議を開くと決めた。トランプ米大統領が日量1000─1500バレルの減産で合意する可能性があるとの見通しを示した。市場では、供給過剰の緩和期待が広がり、原油先物が急騰していた。

ただ週末、原油価格低下の原因をめぐり、サウジ、ロシアの対立が再燃。テレビ会議の開催が9日に延期されると、減産合意への期待が後退し、原油先物は再び下落した。米メディアによると、原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの原油在庫増加も価格を下押しした。

ドル/円 NY終値 109.20/109.25

始値 109.12

高値 109.24

安値 108.85

ユーロ/ドル NY終値 1.0791/1.0795

始値 1.0799

高値 1.0817

安値 1.0769

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 117*20.50 1.2865%

前営業日終値 119*19.00 1.2160%

10年債(指標銘柄) 17時05分 107*26.50 0.6777%

前営業日終値 108*23.00 0.5890%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*08.25 0.4476%

前営業日終値 100*21.00 0.3670%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*06.75 0.2682%

前営業日終値 100*10.25 0.2130%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 22679.99 +1,627.46 +7.73 <.DJI>

前営業日終値 21052.53

ナスダック総合 7913.24 +540.16 +7.33 <.IXIC>

前営業日終値 7373.08

S&P総合500種 2663.68 +175.03 +7.03 <.SPX>

前営業日終値 2488.65

COMEX金 6月限 1693.9 +48.2 <0#GC:>

前営業日終値 1645.7

COMEX銀 5月限 1516.9 +67.5 <0#SI:>

前営業日終値 1449.4

北海ブレント 6月限 33.05 ‐1.06 <0#LCO:>

前営業日終値 34.11

米WTI先物 5月限 26.08 ‐2.26 <0#CL:>

前営業日終値 28.34

CRB商品指数 128.0636 +0.1046 <.TRCCRB>

前営業日終値 127.9590

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