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マレーシア、今年の成長率はマイナス2%も 新型コロナで=中銀
4月3日、マレーシア中銀は、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で今年の国内総生産(GDP)はマイナス2%─プラス0.5%になるとの見通しを示した。写真は新型コロナウイルスの影響で閉鎖された市場を消毒する様子。クアラルンプールで3月撮影(2020年 ロイター/Lim Huey Teng)
[クアラルンプール 3日 ロイター] - マレーシア中銀は3日、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で今年の国内総生産(GDP)はマイナス2%─プラス0.5%になるとの見通しを示した。予想通りなら、過去10年余りで最悪の成長率となる。
マレーシアは報告されている新型コロナ感染者が3100人超と東南アジアで最も多いほか、死者は50人となっており、人の移動や必須でないビジネスの営業が1カ月間にわたり制限されている。
中銀は年次報告書に添付された資料の中で、「主に新型コロナウイルス感染拡大の長期化・広域化が国内外の経済に及ぼす影響により、成長率に対するリスクは全般的に下向きだ」と指摘した。
ただ、2021年には、世界経済の回復に歩調を合わせて正常化するとみている。
マレーシアが最後にマイナス成長を記録したのは、世界的な金融危機の打撃を受けた2009年。2019年の成長率は4.3%だった。
中銀のノル・シャムシア総裁はオンラインで行われた記者会見で、新型ウイルスを取り巻く状況が非常に流動的で、常に変化していることに留意しているとし、「GDP予測は現時点で分かっている情報を基にした最善の見通しだ。大きな不透明感が残る」と述べた。
その上で、政府の景気刺激策や中銀の金利引き下げが経済を下支えするとの見方を示した。
総裁はまた、中銀の金融政策スタンスは引き続き緩和的だとし、新型ウイルス感染拡大の影響を緩和するため「政策手段」を動員することが可能だと述べた。次回の決定会合は5月5日に予定している。
中銀は、今年の財・サービス輸出が8.7%落ち込む可能性があるとの見通しを示した。
物価上昇率は平均でマイナス1.5%─プラス0.5%を予想している。前年はプラス0.7%だった。
中銀は、金融調節によって引き続き為替や債券、短期金融市場の流動性を支援するとも表明した。
*内容を追加しました。