ニュース速報

ビジネス

デンマーク、新型コロナで今年の成長予想引き下げ 最大10%縮小

2020年04月01日(水)19時14分

[コペンハーゲン 1日 ロイター] - デンマーク中央銀行は1日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえ、今年の経済成長率予想を大幅に下方修正した。これまでの景気拡大予想から一転、最大10%のマイナス成長もあり得ると予想した。

従来の2020年国内総生産(GDP)伸び率予想は1.5%だった。今回、新型コロナ危機の深刻さと期間次第で3─10%のマイナス、メーンシナリオを5%のマイナスに修正した。

中銀は声明で「デンマーク経済のブームは2020年初めに突如終わった」と述べた。

最新の予想は、国内大手銀行の予想よりも悲観的だ。ダンスケ銀行はマイナス2.5%、ノルデアはマイナス3%と予想している。

ローデ中銀総裁は「流行が下火になり、(制限)措置が撤廃されたた時、経済を再び軌道に乗せるための出発点は強い。しかしそこに行き着くまで厳しい道のりになる」との見方を示した。

新型コロナに関連した死者は90人に達しているが、感染者の入院者数は31日に初めて減少した。

フレデリクセン首相は、死者数が安定推移すれば、復活祭後に封鎖措置を徐々に緩和する可能性があると30日に述べている。

ただ中銀は、輸出依存度が高い経済であることから、国内の制限措置が撤廃された後も外需の低迷で厳しい状況が続くと予想している。

政府は新型コロナ対応の600億クローネ(88億ドル)超の経済対策を発表した。

ローデ総裁は、経済対策は企業と従業員を支援していると述べたが、景気回復は外部環境にかなり影響されるとし「経済的制約がなくなれば、需要喚起のために、より伝統的な財政刺激が求められるだろう」と述べた。

デンマークの公的債務はGDP比約33%で、経済協力開発機構(OECD)の平均よりかなり低い。企業支援目的の財政出動余地はある。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中