ニュース速報

ビジネス

バフェット氏のバークシャー、保有株上昇で通期は過去最高益

2020年02月24日(月)15時37分

 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏(写真)率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが発表した第4・四半期決算は、営業利益が前年同期比23%減少した。ただ、米アップルなど保有株の大幅上昇を背景に通期利益は過去最高を記録した。写真は2015年5月にネブラスカで撮影(2015年 ロイター/Rick Wilking)

[22日 ロイター] - 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが発表した第4・四半期決算は、営業利益が前年同期比23%減少した。ただ、米アップルなど保有株の大幅上昇を背景に通期利益は過去最高を記録した。

第4・四半期の営業利益は44億2000万ドル(クラスA株1株当たり約2720ドル)となった。前年同期は57億2000万ドル(同3484ドル)だった。

純損益は保有株式の上昇を反映し、291億6000万ドルの黒字となった。前年同期は253億9000万ドルの赤字だった。

2019年通年の純利益は814億2000万ドルで、米法人税率引き下げの恩恵を受けて17年に記録したこれまでの最高益449億4000万ドルを大幅に上回った。

米国の会計基準では、保有株式の評価損益の計上が義務付けられており、バークシャーの業績の大きな変動の要因となっている。

バークシャーは過去4年間、大規模な買収を行っておらず、手元資金が1280億ドルに上っているが、バフェット氏は株主への年次書簡で、バークシャーの株式投資の正当性を主張。バークシャーが保有する株式は「どのような状況においても顕著な」リターンを生み出していると述べ、債券のリターンと比べると特にそうだと指摘した。

アップル株は昨年に86%上昇し、第4・四半期だけでも31%上昇。バークシャーの昨年末時点のアップル保有株の評価額は737億ドルとなった。

バークシャーは、自社株買いを強化。第4・四半期は約22億ドル、通年では50億ドル規模の自社株買いを実施した。

バークシャーに長年投資しているガードナー・ルッソ・アンド・ガードナーのパートナー、トーマス・ルッソ氏は「自社株買いへのコミットメント強化を歓迎する」と述べ、1株当たりの本質的な価値向上につながる可能性があるとの見方を示した。

CFRAリサーチのアナリスト、キャシー・ザイフェルト氏によると、バークシャーの鉄道事業BNSFとエネルギー事業の業績は改善したものの、再保険事業が営業利益の重しとなった。自動車保険事業ガイコは保険金請求が保険料収入の伸びを上回った。

同氏は「エネルギー事業と鉄道事業は上向いたが、保険関連が大きな圧迫要因となった」とし、第1・四半期以降の貨物輸送への新型コロナウイルス感染拡大による影響が注目されると指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

訂正-4月米フィラデルフィア連銀業況指数、15.5

ビジネス

全国コアCPI、3月は+2.6% 生鮮除く食料の伸

ビジネス

米アトランタ連銀総裁、インフレ進展停滞なら利上げに

ワールド

パレスチナ国連加盟、安保理で否決 米が拒否権行使
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中