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カナダ中銀、金利1.75%に据え置き 将来の利下げに含みも
カナダ銀行(中央銀行)は22日、政策金利を予想通り1.75%に据え置いた。2018年4月撮影(2020年 ロイター/Chris Wattie)
[オタワ 22日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は22日、政策金利を予想通り1.75%に据え置いた。据え置きは2018年10月以降、1年以上に及ぶ。同時に、国内経済の減速が長引いた場合、利下げの可能性も排除しない姿勢を示した。これを受け、中銀がこの春にも利下げに踏み切るとの観測が高まった。
中銀は声明で景気認識について、経済は底堅く推移する一方、最近の経済指標は強弱まちまちで、消費者信頼感や個人消費に関する指標が「予想外に軟調」なほか、企業の設備投資も弱まっていると指摘。経済は潜在成長率の水準付近から離れているとし、「将来の金利動向を決定するに当たり、最近の成長減速が予想以上に長引くかどうかを注視していく」と表明した。
景気減速の背景にはストや悪天候、在庫調整など一時要因が挙げられる一方、「世界経済の状況が予想以上に国内経済に影響をもたらしている可能性が軟調な経済指標からうかがえる」と指摘。貯蓄の拡大は消費者の間で広がる警戒感の表れと言え、貿易を巡る最近の動きは明るいものの、中東地域における地政学的緊張の高まりなど不確実性も根強いとした。
ポロズ総裁は会見で「利下げへの扉が閉まっているとは言っていない。明らかに開いている」とする一方、「ただ、指標が今後どう展開するか次第だ。現況は一時的なものだと強く信じているが、一時的な状況は長くなったり短くなったりする可能性はある」と述べた。
中銀は国内総生産(GDP)成長見通しについて、19年第4・四半期が従来の年率1.3%から0.3%に、20年第1・四半期は従来の1.7%から1.3%に、20年全体では従来の1.7%から1.6%にそれぞれ下方修正した。一方、21年は従来の1.8%から2.0%に引き上げた。
カナダドル
ポロズ総裁は昨年11月時点で、現在の国内金融情勢は適切との見方を示している。マネックス・カナダのFXアナリスト、サイモン・ハービー氏は「今回声明に『適切』という文言が盛り込まれなかったことがすべてを物語っている。金利は年内に変更されるだろう」と語った。
CIBCキャピタル・マーケッツの首席エコノミスト、ロイス・メンデス氏は「中銀はカナダ経済が予想外に下振れする可能性を排除していない」と指摘。「中銀のこうした基調的な見通しが誤ったものになる余地は極めて小さく、この春にも利下げに踏み切る準備を始めた可能性がある」と述べた。
*内容を追加しました。