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カナダ雇用者数、12月は予想上回る増加 失業率5.6%に改善
10日、カナダ統計局が発表した2019年12月の雇用統計は、雇用者数が3万5200人増加した。写真はオンタリオ州オタワで2017年11月撮影(2020年 ロイター/Chris Wattie)
[オタワ 10日 ロイター] - カナダ統計局が10日発表した2019年12月の雇用統計は、雇用者数が3万5200人増加した。市場予想の2万5000人増を上回った。フルタイム雇用の増加が全体を押し上げた。失業率は11月の5.9%から5.6%に低下した。市場予想は5.8%だった。カナダ経済への不安が和らぐ材料となる可能性がある。
正社員の賃金は前年比3.8%増。10月と11月の4.4%増から減速した。
11月の雇用者数は増加を見込んでいた市場予想に反して7万1200人減少していた。
TDセキュリティーズのストラテジスト、アンドリュー・ケルビン氏は「まずまずの持ち直しだ」とし、「カナダ経済への不安がなくなるわけではないが、和らぐことは確かだ」と述べた。
米連邦準備理事会(FRB)などの主要な中銀が金融緩和に動く中でも、カナダ銀行(中央銀行)は18年10月以降、政策金利を据え置いている。カナダ中銀の次回会合は1月22日。
ポロズ中銀総裁は9日、バンクーバーで開かれたビジネス界の講演で、最近見られた雇用の伸びの鈍化が続くかどうかを注視すると述べた。最近の経済指標はまちまちな内容だったとし、第4・四半期は異常気象やストライキなどがあったと指摘した。
RBCの上級エコノミスト、ジョシュ・ナイ氏は「ポロズ氏は12月に雇用者数が持ち直したことを歓迎するだろう」と述べた。
12月はフルタイムが3万8400人増加。一方、パートタイムは3200人減だった。
業種別では生産部門が1万5700人増。主に建設業が伸びた。サービス部門は1万9400人増。主に宿泊や飲食サービスが伸びた。
カナダは最近、軟調な指標が続いていた。こうした中、アナリストは第4・四半期国内総生産(GDP)が、中銀が10月に示した予想である年率1.3%増を下回る可能性を指摘していた。
BMOキャピタル・マーケッツのベンジャミン・ライツ氏は「中銀は雇用者数が再び落ち込まなかったことで安心しただろう」と話し、「3カ月連続でマイナスとなっていたら不安が高まっていた」と述べた。