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スイス中銀、気候変動対策で8000億ドルの投資引き揚げも
12月10日、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は、化石燃料企業への投資から8000億ドルの引き揚げを求められる可能性がある。写真は同行の建物。スイスのベルンで9月撮影(2019年 ロイター/Arnd Wiegmann)
[チューリヒ 10日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は、化石燃料企業への投資から8000億ドルの引き揚げを求められる可能性がある。
複数の議員が、物価安定と経済成長という従来の中銀の責務に、気候変動対策を加える動きを模索している。
関係する議員2人がロイターに語ったところによると、今月下院に関連の動議が提出される予定。こうした動きは中道左派の社会民主党と、10月の総選挙で躍進した緑の党が中心となっている。
スイスフラン高抑制の介入で中銀には8000億ドルのバランスシートが積み上がり、中規模国の中央銀行としては異例の大きさの投資ポートフォリオとなっている。
スイス中銀の化石燃料関連の投資先にはアーチ・コール
来年初めにこの問題を上院に提議する緑の党の議員は「気候変動は非常事態となっており、われわれはできるだけ早く行動を起こす必要がある。スイス中銀は巨額の投資を行っており、役割を果たすことが可能だ」と述べた。
スイス中銀はコメントを控えた。中銀は深刻な環境汚染の原因となる企業への投資は避けているが、利害対立および金融政策の政治化のリスクから、環境保護に投資の影響力を行使することには抵抗している。