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アジア開銀、新興国の成長見通し下方修正 貿易摩擦が重し

2019年12月11日(水)12時06分

 12月11日、アジア開発銀行(ADB)は新興国の2019年と20年の成長率見通しをいずれも5.2%に下方修正した。写真はシンガポールの金融地区。9月18日撮影(2019年 ロイター/Feline Lim)

[マニラ 11日 ロイター] - アジア開発銀行(ADB)は11日、アジア新興国の2019年と20年の成長率見通しをいずれも5.2%に下方修正した。中国やインドの見通し悪化を受け、他のアジア諸国でも経済活動が鈍化するとの見方を示した。

9月に示した従来見通しでは19年が5.4%、20年は5.5%としていた。

中国の成長率は19年が6.1%、20年が5.8%と予想。従来見通しはそれぞれ6.2%と6.0%だったが、米中貿易摩擦や豚肉の高騰による消費への圧迫などを踏まえて下方修正した。

ADBチーフエコノミストの澤田康幸氏は、アジア途上国の成長率は依然堅調としたうえで、長引く貿易摩擦が重しとなっており、引き続き長期成長見通しへの最大のリスクだと指摘した。

一方で、豚コレラの影響で豚肉が高騰する中、食品価格の上昇を背景にインフレは加速していると指摘した。

ADBは、今年と来年のインドの成長率見通しもそれぞれ5.1%と6.5%に引き下げ、ノンバンクの流動性問題や雇用の伸び悩みなどを理由に挙げた。従来見通しは6.5%と7.2%だった。

東南アジアの成長率見通しは若干引き下げられた。シンガポールやタイなど輸出に依存する国が貿易摩擦や世界経済減速の打撃を受けていることを踏まえた。

アジア途上国のインフレ率は19年が2.8%、20年は3.1%と予想し、従来見通し(ともに2.7%)から引き上げた。

GDP GROWTH pct

2018 2019 2019 2019 2020 2020 2020

JULY SEPT DEC JULY SEPT DEC

Central Asia 4.3 4.3 4.4 4.6 4.2 4.3 4.5

East Asia 6 5.6 5.5 5.4 5.5 5.4 5.2

China 6.6 6.3 6.2 6.1 6.1 6 5.8

South Asia 6.6 6.6 6.2 5.1 6.7 6.7 6.1

India 6.8 7 6.5 5.1 7.2 7.2 6.5

SEast Asia 5.1 4.8 4.5 4.4 4.9 4.7 4.7

Indonesia 5.2 5.2 5.1 5.1 5.3 5.2 5.2

Malaysia 4.7 4.5 4.5 4.5 4.7 4.7 4.7

Myanmar 6.8 n/a 6.6 n/a n/a 6.8 n/a

Philippines 6.2 6.2 6 6 6.4 6.2 6.2

Singapore 3.1 2.4 0.7 0.6 2.5 1.4 1.2

Thailand 4.1 3.5 3 2.6 3.6 3.2 3

Vietnam 7.1 6.8 6.8 6.9 6.7 6.7 6.8

The Pacific 0.4 3.5 4.2 4 3.2 2.6 2.5

Developing Asia 5.9 5.7 5.4 5.2 5.6 5.5 5.2

INFLATION, pct

2018 2019 2019 2019 2020 2020 2020

JULY SEPT DEC JULY SEPT DEC

Central Asia 8.3 8.1 8 7.8 7.1 7.4 7.3

East Asia 2 2.1 2.3 2.5 1.9 2.1 2.7

China 2.1 2.3 2.6 2.8 2 2.2 3

South Asia 3.6 4.5 4 4.4 5.1 4.9 4.8

India 3.4 4.1 3.5 4 4.4 4 3.8

SEast Asia 2.7 2.4 2.3 2.3 2.7 2.6 2.6

Indonesia 3.2 3.2 3.2 3.2 3.3 3.3 3.3

Malaysia 1 1 1 1 2 2 2

Myanmar 5.9 n/a 8 n/a n/a 7.5 n/a

Philippines 5.2 3 2.6 2.6 3.5 3 3

Singapore 0.4 0.7 0.7 0.6 0.9 0.9 0.9

Thailand 1.1 1 1 0.9 1 1 1

Vietnam 3.5 3.5 3 3 3.8 3.5 3.5

The Pacific 4.2 3.6 3.4 3.2 3.9 3.4 3.3

Developing Asia 2.4 2.6 2.7 2.8 2.6 2.7 3.1

ロイター
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