ニュース速報

ビジネス

情報BOX:ユニゾ巡る動き、ブラックストーンとの協議継続

2019年12月09日(月)09時58分

[東京 9日 ロイター] - ユニゾホールディングス<3258.T>の買収合戦が混迷を深めている。ユニゾは、フォートレス・インベストメント・グループと米ブラックストーンに加え、国内の投資ファンドなど計8社とTOBを巡る協議を行っている。

ブラックストーンは6日、引き続きユニゾとの協議に取り組んでおり、同社の提案へのユニゾからの回答を待っている状況にあるとし、状況に重大な変化があれば遅くとも13日までに開示すると発表した。

これまでの経緯は以下の通り。

ーー7月10日、エイチ・アイ・エス(H.I.S.)<9603.T>が1株3100円で株式公開買い付け(TOB)する意向を表明。ユニゾは事業上のシナジー効果が見込めないなどとしてこれに反対した。

ーー8月16日、ソフトバンクグループ<9984.T>の連結子会社である投資ファンドのフォートレスが、H.I.S.によるTOBに対抗する「白馬の騎士」として、1株4000円でTOBを実施すると発表した。

ーー8月後半、株価が自身の提案したTOB価格を上回って推移する中でH.I.SはTOBを断念した。

ーーユニゾがフォートレスに対してTOB価格を5000円に引き上げることなどを打診。

ーー9月27日、ユニゾは、フォートレスによるTOBが企業価値や株主利益の向上に役立つものかどうかあらためて慎重に検討する必要があるなどとして、このTOBに関する株主への応募推奨を撤回した。

ーーTOBの成立を見込んでユニゾ株を買い進めていた米ファンドのエリオット・マネジメントがこの間、ユニゾに質問状を複数回送付した。

ーー10月15日、米ブラックストーンが、フォートレスによるTOB価格を上回る1株5000円でユニゾ株をTOBする意向を表明したが、ユニゾは態度を留保した。

ーーユニゾは21日、フォートレスとブラックストーンのいずれのTOBについても態度を留保し、協議を継続する方針を示した。

ーーブラックストーン提案の1株5000円でのTOBをユニゾが受け入れれば、これまでユニゾ株を買い進めてきたエリオットなどの投資家は株式の売却益を得やすく、TOBは成立するかもしれない。

ーー仮にブラックストーンがTOBの意向を撤回するなら、フォートレスによるTOBが成立するかに関心が移る。これまで株価はTOBへの期待で上昇してきただけに、展開次第では急落の恐れもある。H.I.S.によるTOB表明の前日終値は1990円だった。

ーーブラックストーンはユニゾに対するTOBに関し、ユニゾ側の同意および合意書の期限延長を繰り返し、11月7日に期限経過後の検討期間に入ったことを明らかにした。その後、検討期間も複数回延長した。

ブラックストーンは28日、ユニゾの同意が得られなかったと発表。引き続きあらゆる選択肢を検討するとした。ユニゾ側は、ブラックストーンとの間で引き続き積極的かつ真摯に協議を継続するとコメントした。

ーー一方のフォートレスは11月15日、ユニゾへのTOB価格を4000円から4100円に引き上げた。同社は29日、公開買い付けの期間を12月13日まで延長した。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地

ビジネス

米国株から資金流出、過去2週間は22年末以来最大=

ビジネス

中国投資家、転換社債の購入拡大 割安感や転換権に注

ワールド

パキスタンで日本人乗った車に自爆攻撃、1人負傷 警
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中