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情報BOX:ユニゾ巡る動き、ブラックストーンとの協議継続
[東京 9日 ロイター] - ユニゾホールディングス<3258.T>の買収合戦が混迷を深めている。ユニゾは、フォートレス・インベストメント・グループと米ブラックストーンに加え、国内の投資ファンドなど計8社とTOBを巡る協議を行っている。
ブラックストーンは6日、引き続きユニゾとの協議に取り組んでおり、同社の提案へのユニゾからの回答を待っている状況にあるとし、状況に重大な変化があれば遅くとも13日までに開示すると発表した。
これまでの経緯は以下の通り。
ーー7月10日、エイチ・アイ・エス(H.I.S.)<9603.T>が1株3100円で株式公開買い付け(TOB)する意向を表明。ユニゾは事業上のシナジー効果が見込めないなどとしてこれに反対した。
ーー8月16日、ソフトバンクグループ<9984.T>の連結子会社である投資ファンドのフォートレスが、H.I.S.によるTOBに対抗する「白馬の騎士」として、1株4000円でTOBを実施すると発表した。
ーー8月後半、株価が自身の提案したTOB価格を上回って推移する中でH.I.SはTOBを断念した。
ーーユニゾがフォートレスに対してTOB価格を5000円に引き上げることなどを打診。
ーー9月27日、ユニゾは、フォートレスによるTOBが企業価値や株主利益の向上に役立つものかどうかあらためて慎重に検討する必要があるなどとして、このTOBに関する株主への応募推奨を撤回した。
ーーTOBの成立を見込んでユニゾ株を買い進めていた米ファンドのエリオット・マネジメントがこの間、ユニゾに質問状を複数回送付した。
ーー10月15日、米ブラックストーンが、フォートレスによるTOB価格を上回る1株5000円でユニゾ株をTOBする意向を表明したが、ユニゾは態度を留保した。
ーーユニゾは21日、フォートレスとブラックストーンのいずれのTOBについても態度を留保し、協議を継続する方針を示した。
ーーブラックストーン提案の1株5000円でのTOBをユニゾが受け入れれば、これまでユニゾ株を買い進めてきたエリオットなどの投資家は株式の売却益を得やすく、TOBは成立するかもしれない。
ーー仮にブラックストーンがTOBの意向を撤回するなら、フォートレスによるTOBが成立するかに関心が移る。これまで株価はTOBへの期待で上昇してきただけに、展開次第では急落の恐れもある。H.I.S.によるTOB表明の前日終値は1990円だった。
ーーブラックストーンはユニゾに対するTOBに関し、ユニゾ側の同意および合意書の期限延長を繰り返し、11月7日に期限経過後の検討期間に入ったことを明らかにした。その後、検討期間も複数回延長した。
ブラックストーンは28日、ユニゾの同意が得られなかったと発表。引き続きあらゆる選択肢を検討するとした。ユニゾ側は、ブラックストーンとの間で引き続き積極的かつ真摯に協議を継続するとコメントした。
ーー一方のフォートレスは11月15日、ユニゾへのTOB価格を4000円から4100円に引き上げた。同社は29日、公開買い付けの期間を12月13日まで延長した。