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シンガポール、政治家のFB投稿に偽ニュース防止法を初適用
[シンガポール 25日 ロイター] - シンガポールで10月に施行したフェイクニュース防止法(POFMA)がこのほど、初めて適用され、同国の政治家ブラッド・ボウヤー氏がフェイスブックへの投稿を訂正した。
ボウヤー氏は、シンガポールの政府系投資機関の独立性に疑問を投げかける投稿をした。
政府のファクト・チェックのウェブサイトに掲載された声明は、ボウヤー氏が政府系投資機関のテマセク[TEM.UL]やGIC[GIC.UL]の投資決定に政府が干渉しているかのような「虚偽の誤解を招く」表現を使ったと指摘した。
ボウヤー氏は、POFMAに基づく要求に従い、自身のフェイスブックの投稿欄の上部に政府の声明のリンクを貼り訂正の告知を掲載したと明らかにした。
同氏はフェイスブック上で、訂正要求に従うことに特に不満はないとしたうえで、「一般論として、国内の政治や社会問題について発言する人々には、特に影響を及ぼす状況で発言する場合は注意と配慮するよう言いたい」と述べた。
ボウヤー氏は、英国生まれでシンガポールに帰化。これまで、与党や野党に属してきたが、選挙への出馬経験はない。
POFMA当局の報道官は、訂正要請が出されたのはPOFMA制定後、初めてと述べた。
POFMAを巡っては、人権団体から発言の自由が脅かされるなどの懸念の声が上がっているが、シンガポール政府は、同国が国際金融ハブであり、多民族・多宗教国家でインターネットが発達していることから、偽ニュースのリスクが大きいとしている。