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第3四半期シンガポールGDP改定値、前年比+0.5% 景気後退回避
11月21日、シンガポール政府が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前年比0.5%増と、速報値の0.1%増から上方修正された。写真はシンガポールのビジネス地区。9月19日撮影(2019年 ロイター/Kevin Lam)
[シンガポール 21日 ロイター] - シンガポール政府が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前年比0.5%増と、速報値の0.1%増から上方修正された。
ロイターがまとめた市場予想と一致した。製造業の改善を受け、景気後退(リセッション)を回避した。
政府は今年の経済成長予測を従来の0.0─1.0%から0.5─1.0%に修正したことも明らかにした。
第3・四半期のGDP改定値は、前期比年率(季節調整済み)では2.1%増。速報値の0.6%増から上方修正された。ロイターがまとめた市場予想と一致した。
貿易産業省のガブリエル・リム次官は「世界の経済成長は依然として低迷しているが、世界経済には安定化の兆しがみられる」とし、ここ数カ月、国内製造業が予想以上に改善していると指摘した。
シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は先月、景気下支えのため、3年ぶりに金融政策を緩和した。
GDP統計の発表後、MASの当局者は、現在の金融政策は依然として適切だとの見解を示した。
メイバンク・キム・エンのエコノミスト、Lee Ju Ye Lee氏は「(中銀は)基本的に2020年内は現行の金融政策を維持する見通しで、経済成長が上向き始めるなか、われわれは一段の金融緩和は予想していない」と説明した。
シンガポールは今年2回にわたって経済成長の公式予測を下方修正。貿易依存度が高く、米中貿易戦争や世界経済の鈍化で打撃を受けている。
9月の製造業生産指数は、5カ月ぶりに上昇。医薬品の増加が押し上げ要因となった。
2020年には次世代高速通信規格「5G」の導入が予定されており、経済開発庁(EDB)のアシスタント・マネージング・ディレクター、ケルビン・ウォン氏は、5G導入などにより電子機器の製造は来年上向く、との見通しを示した。
政府は5Gのアプリケーションをテストするため、4000万シンガポールドル(2950万米ドル)を投じると発表している。
10月の石油を除く輸出は8カ月連続のマイナスとなった。
*内容を追加しました。
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