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EXCLUSIVE-米ウィーワーク、ニューヨーク州司法長官が調査=関係筋

2019年11月19日(火)13時19分

 11月18日、事情に詳しい関係者2人によると、米ニューヨーク州のジェームズ司法長官は、共有オフィスを手掛けるウィーワークを調査している。写真は1月8日、ニューヨーク市で撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 事情に詳しい関係者2人によると、米ニューヨーク州のジェームズ司法長官は、共有オフィスを手掛けるウィーワークを調査している。

ウィーワークの広報担当者は、ロイターに対し「ニューヨーク州司法長官事務所から問い合わせを受け、協力している」と語った。

同州司法長官の報道官はコメントを控えた。

調査の焦点の1つとなっているのは、ウィーワークの創業者で9月に最高経営責任者(CEO)を辞任したアダム・ニューマン氏が私服を肥やすために私的金融取引を行ったかどうかだ。

ニューマン氏は不動産を購入してウィーに賃貸したほか、自身が保有するウィー株を担保に借り入れを行ったり、ウィーワークが社名をウィーカンパニーに変更した後に自身が持つ「ウィー」という言葉の商標権の使用料として同社から約600万ドルの徴収を計画していた。

同社は9月に新規株式公開(IPO)を計画していたが、収益性やビジネスモデル、企業統治を巡り投資家から疑念を持たれ、同月30日に撤回した。

ニューマン氏は9月24日にCEOを辞任した。「ウィー」の商標権から得た使用料の返還でも合意した。

ニューマン氏の広報担当者はコメントを控えた。

ウィーは前月、筆頭株主であるソフトバンクグループ<9984.T>による支援策の受け入れに合意した。債務と株式の形で65億ドルを支援するとともに、30億ドルを上限としてウィー株の公開買い付けを行うという内容で、ニューマン氏の保有株のうち10億ドル分が対象に含まれている。

ウィーは今後、大胆なリストラ策に踏み切るとみられる。会長に任命されたばかりのマルセロ・クラウレ氏は従業員への電子メールで、核心的な事業目標に無関係な分野について、週内に人員削減を発表すると明らかにした。ロイターがメールを確認した。

17日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、ウィーが4000人の削減を準備していると報じた。従業員数は6月30日時点で1万2500人となっており、関連会社を含めるとこれよりも多い。

ソフトバンクの役員でもあるクラウレ氏は電子メールで、22日の全社会議で今後の道筋を示すとした上で、今後の成長には、一段と効率的で顧客重視の組織構造が必要だと述べた。「特定の機能や役職を廃止・縮小する」と続けた。

ブルームバーグは前週、米証券取引委員会(SEC)が、ウィーが撤回したIPOの準備段階における金融規則違反の有無について同社を調査していると報じている。

*内容を追加しました。

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