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今週の米株はブラックフライデーで消費占う、好調なら株高に期待
11月16日、米国では23日のブラックフライデーで年末商戦が始まるのを控え、投資家は今週、個人消費の健全性について概要を把握することになりそうだ。出だしが順調となれば、株式相場の上昇につながるかもしれない。ニューヨークで2017年11月撮影(2018年 ロイター/Shannon Stapleton)
[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国では23日のブラックフライデーで年末商戦が始まるのを控え、投資家は今週、個人消費の健全性について概要を把握することになりそうだ。出だしが順調となれば、株式相場の上昇につながるかもしれない。感謝祭翌日の金曜日とされるブラックフライデーは、米国で年末商戦の始まりとみなされている。
米国市場ではこれまで中間選挙、連邦準備理事会(FRB)による利上げペース、輸入関税、貿易戦争、企業業績がすでにピークを迎えたとの懸念などで不透明感があった。ただ、年末商戦が順調に滑り出せば、一部の懸念が和らぐ可能性がある。
S&P総合500種<.SPX>は10月に約7%下落した後、回復に苦労しており、11月は現時点で0.7%上昇となっている。四半期では2015年第3・四半期以来の大幅減少となるペースであり、第4・四半期としては10年ぶりの大幅な下げとなる。
ロイター/イプソスが米国で実施した調査で、ブラックフライデーに買物を予定している人が約38%に上った。59%が、年末の買物の少なくとも半分をこの時期に予定しているという。[nL4N1XR1D4]
クレセント・ウェルス・アドバイザーズのジャック・アブリン最高投資責任者(CIO)は「ブラックフライデーの売り上げに何らかの失望的な要素があれば、一部で実際の懸念につながるだろう」と述べた。
リフィニティブのデータによると、第4・四半期の既存店売上高は3%増加と順調な伸びを示す見込み。ただ、この数字は過去2四半期より鈍化傾向にあり、1年前の3.1%をわずかながら下回っている。
ただ、年末商戦開始時の売り上げが好調だったとしても、利益も好調になるとは限らない。
エスプラネード・キャピタルのショーン・クラベッツ社長は、前週開催の「ロイター・グローバル・インベストメント2019アウトルック・サミット」で「順調な消費は必ずしも、小売売上高や利益、パフォーマンスが大幅に良くなることを意味しない」と述べた。
商務省が15日発表した10月の小売売上高は前月比0.8%増と、前月の落ち込みから大幅に持ち直した。ただ、9月と8月の数字はそれぞれ下方改定。米国の経済活動の3分の2以上を占める個人消費が鈍化傾向にあることを示唆した。[nL4N1XQ4OW]
小売大手ターゲット
ただ今後、11月30日─12月1日の20カ国・地域(G20)首脳会議や12月18―19日の連邦公開市場委員会(FOMC)が控えることから、相場のボラティリティーは高くなることも考えられる。
「サンタクロース・ラリー」として知られる年末の相場上昇には、市場がこれらのイベントを消化する必要がある。ストック・トレーダーズ・アルマナックによると、1950年以来、12月のS&P500種は4分の3の比率で上昇。月間での平均上昇率は1.6%と、1年で最も高いという。