ニュース速報

ビジネス

今週の米株はブラックフライデーで消費占う、好調なら株高に期待

2018年11月19日(月)07時37分

11月16日、米国では23日のブラックフライデーで年末商戦が始まるのを控え、投資家は今週、個人消費の健全性について概要を把握することになりそうだ。出だしが順調となれば、株式相場の上昇につながるかもしれない。ニューヨークで2017年11月撮影(2018年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国では23日のブラックフライデーで年末商戦が始まるのを控え、投資家は今週、個人消費の健全性について概要を把握することになりそうだ。出だしが順調となれば、株式相場の上昇につながるかもしれない。感謝祭翌日の金曜日とされるブラックフライデーは、米国で年末商戦の始まりとみなされている。

米国市場ではこれまで中間選挙、連邦準備理事会(FRB)による利上げペース、輸入関税、貿易戦争、企業業績がすでにピークを迎えたとの懸念などで不透明感があった。ただ、年末商戦が順調に滑り出せば、一部の懸念が和らぐ可能性がある。

S&P総合500種<.SPX>は10月に約7%下落した後、回復に苦労しており、11月は現時点で0.7%上昇となっている。四半期では2015年第3・四半期以来の大幅減少となるペースであり、第4・四半期としては10年ぶりの大幅な下げとなる。

ロイター/イプソスが米国で実施した調査で、ブラックフライデーに買物を予定している人が約38%に上った。59%が、年末の買物の少なくとも半分をこの時期に予定しているという。[nL4N1XR1D4]

クレセント・ウェルス・アドバイザーズのジャック・アブリン最高投資責任者(CIO)は「ブラックフライデーの売り上げに何らかの失望的な要素があれば、一部で実際の懸念につながるだろう」と述べた。

リフィニティブのデータによると、第4・四半期の既存店売上高は3%増加と順調な伸びを示す見込み。ただ、この数字は過去2四半期より鈍化傾向にあり、1年前の3.1%をわずかながら下回っている。

ただ、年末商戦開始時の売り上げが好調だったとしても、利益も好調になるとは限らない。

エスプラネード・キャピタルのショーン・クラベッツ社長は、前週開催の「ロイター・グローバル・インベストメント2019アウトルック・サミット」で「順調な消費は必ずしも、小売売上高や利益、パフォーマンスが大幅に良くなることを意味しない」と述べた。

商務省が15日発表した10月の小売売上高は前月比0.8%増と、前月の落ち込みから大幅に持ち直した。ただ、9月と8月の数字はそれぞれ下方改定。米国の経済活動の3分の2以上を占める個人消費が鈍化傾向にあることを示唆した。[nL4N1XQ4OW]

小売大手ターゲット、ホームセンター大手ロウズ、衣料小売りのギャップは今週に四半期決算を発表する予定で、投資家は年末商戦の手掛かりとしてこれらに注目する見通し。

ただ今後、11月30日─12月1日の20カ国・地域(G20)首脳会議や12月18―19日の連邦公開市場委員会(FOMC)が控えることから、相場のボラティリティーは高くなることも考えられる。

「サンタクロース・ラリー」として知られる年末の相場上昇には、市場がこれらのイベントを消化する必要がある。ストック・トレーダーズ・アルマナックによると、1950年以来、12月のS&P500種は4分の3の比率で上昇。月間での平均上昇率は1.6%と、1年で最も高いという。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

東京ガス、25年3月期は減益予想 純利益は半減に 

ワールド

「全インドネシア人のため闘う」、プラボウォ次期大統

ビジネス

中国市場、顧客需要などに対応できなければ地位維持は

ビジネス

IMF借款、上乗せ金利が中低所得国に重圧 債務危機
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中