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伊銀カリジェ、国内行などから最大4億ユーロ調達へ 自己資本増強
11月12日、イタリアの中堅銀行バンカ・カリジェは、欧州中央銀行(ECB)が年末を期限としている自己資本基準の達成に向け、国内大手行や民間投資家から最大4億ユーロ(4億5100万ドル)の資金を調達することを明らかにした。写真は同行のロゴ。ローマで4月に撮影(2018年 ロイター/Stefano Rellandini)
[12日 ロイター] - イタリアの中堅銀行バンカ・カリジェ
イタリアの銀行は、反緊縮を掲げる連立政権が5月に誕生して以来、保有するイタリア国債の価値が下落していることが新たな重しとなっている。
カリジェは3億2000万─4億ユーロの劣後転換社債を発行すると発表した。国内銀が3億2000万ユーロ相当の債券の引き受けを約束し、さらに8000万ユーロを既存株主を含む民間投資家を対象に発行するという。
手続きはイタリアの預金保護基金の一部を構成する「自発的枠組み」を通じて行われる。イタリアの主要銀行はいずれもこの枠組みに資金を拠出している。
カリジェは今年、投資家が高い利回りを要求したことから2度にわたり劣後債発行に失敗。格付け会社フィッチ・レーティングスは10月、カリジェの格付けを「CCC+」に引き下げた。
ECBはカリジェに対し、11月30日までに資本不足への対応計画を提出するよう求めている。また、合併を検討するよう指示しており、その場合は年末に設定されている自己資本基準の達成期限を延期することも可能としている。
カリジェはUBSをアドバイザーに起用して他行との合併を模索しているが、業界関係者はこれまでに、カリジェの自己資本水準や再編の必要性などが合併を難しくしているとの見方を示している。