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バンカメ、第3四半期の融資の伸び低調 利益は予想上回る
10月15日、米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)の2018年第3・四半期(7─9月)決算は、金利収入の増加や貸し出しの伸びが債券トレーディングの不振を補うとともに、経費削減も寄与し、利益が予想を上回った。写真は2013年3月撮影(2018年 ロイター/Bobby Yip)
[15日 ロイター] - 米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)の2018年第3・四半期(7─9月)決算は、金利収入の増加や貸し出しの伸びが債券トレーディングの不振を補うとともに、経費削減も寄与し、利益が予想を上回った。ただ融資の伸びが他の大手銀を下回り、債券引き受け業務なども低調だったことで、株価は一時約3%下落した。
第3・四半期は費用削減が奏功し35%の増益となったものの、市場は基幹事業により大きく注目。キーフ・ブリュエット・アンド・ウッヅのトレーディング部門責任者、R・Jグラント氏は「他の大手銀の一部の方が融資の伸びが大きかったことはまったくの予想外だった」としている。
バンカメの総融資は前年同期比0.3%増の9300億ドル。個人向け融資、商業融資、ウエルスマネジメントが増加したものの、住宅ローンや市場ビジネスの顧客向け融資が減少した。
他行の第3・四半期の融資の伸びはJPモルガン・チェースが6%、シティグループが4%だった。
このほかバンカメでは企業合併のアドバイザリー業務による手数料収入が26%減少したほか、債券引き受け業務による手数料収入も減少。トレーディング収入は5%減少した。ドノフリオ最高財務責任者(CFO)は記者との電話会議で、市場シェアを失った企業合併・買収(M&A)部門で巻き返しを図っていることを明らかにした。
ただ第3・四半期は、モイニハン最高経営責任者(CEO)が進めているコスト削減策の効果も確認。同CEOは、人員削減やリテール(小口金融)業務の自動化、金融危機時代の住宅ローンの処理を通じて事業部門の再編を推進。2年前に、18年末までに費用を530億ドルに減らし、その水準を20年まで維持する目標を掲げている。
第3・四半期の非金利費用は2.4%減少し130億7000万ドル。2%の人員削減が寄与した。
モイニハンCEOは声明で「好調な米経済、健全な米消費者に支えられた信頼できる成長が、創設以来、最高の税引き前利益の達成につながった」と述べた。
純利益(普通株株主帰属)は35%増の67億ドル。
特別項目を除外した1株利益は0.67ドル。リフィニティブのI/B/E/Sデータによるアナリストの平均予想0.62ドルを上回った。
個人向け融資は6%増の2850億ドル。預金総額は約5%増の1兆3500億ドルとなった。
バンカメは預金や金利感応度の高い住宅ローン担保証券を多く保有しており、金利上昇の利益拡大効果が大きい。
金利収入は6.4%増の118億7000万ドルとなった。
非金利費用の減少を背景に収入は4%増加。ドノフリオCFOはアナリストとの電話会議で、20年にかけて年間コストを約535億ドルにとどめる方針を示した。
バンカメの費用は11年に800億ドルを超えており、収入の85%に相当していた。これに対し、今年1─9月の費用の収入に対する比率は59%。同比率はJPモルガンが57%、シティグループが58%、ウエルズ・ファーゴが65%となっている。
モイニハンCEOは同比率を50%台半ばに向けて引き下げていく方針を示している。
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