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銀行・保険会社、気候変動対策を策定する必要=英中銀
[ロンドン 15日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は15日、英国の銀行、および保険会社は気候変動への信頼ある対応策を策定し、場合によっては資本金の上積みが必要になる可能性があるとの見解を示した。
中銀は政策提案文書で「低炭素社会に向けた市場の移行が秩序立って行われた場合は、気候変動に起因する金融リスクは最小化されるが、秩序立った市場の移行には限界がある」と指摘。気候変動に関連する財務リスクの測定・報告を国内の銀行・保険会社に求めることを提案した。
中銀傘下の健全性監督機構(PRA)は「企業が気候変動の財務リスクとビジネスモデルへの影響を理解することを期待する」と表明。保険会社では気候変動で洪水被害が増加する中、保険金の支払い負担が増大する恐れがあるほか、銀行では省エネ基準の厳格化により住宅ローン返済に影響を受ける可能性があると指摘し、こうしたリスクが顕在化した場合に備え、各社は「エクスポージャーの制御に向け信頼ある計画を策定する必要がある」とした。
中銀は今後、今回公表した提案書を最終決定し、その12─18カ月後に最良実施例についてさらに指針を公表する。
英中銀はカーニー総裁の下、気候変動に関する問題を規制措置の中心項目に据えており、同総裁は前月、国内行の多くは気候変動がもたらす事業へのリスクの最小化に向け適切な対策を取っていないとの見方を示し、中銀金融行政委員会(FPC)は気候変動が金融安定に及ぼす恐れのあるリスクを定期的な銀行ストレステスト(健全性審査)の項目に含めるか検討する方針を示している。
*内容を追加します。
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