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ドル111円後半に下落、株安にらみ 米財務長官発言も心理的痛手

2018年10月15日(月)15時43分

 10月15日、午後3時のドル/円は、12日のニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の111円後半だった。日本や中国の株価が下落する中、上値の重さが意識された。写真は日本円紙幣と米ドル紙幣。2013年2月撮影(2018年 ロイター/Shohei Miyano)

[東京 15日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、12日のニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の111円後半だった。日本や中国の株価が下落する中、上値の重さが意識された。ムニューシン米財務長官が13日、今後の通商協議で、日本にも通貨安誘導を防ぐための為替条項を求めていく意向を示したこともドル買い意欲をそいだ。

ドルは、日本時間午前4時過ぎに112.38円の高値を付けたあと、112.13円まで下落。仲値にかけてはさらに売りが広がって111.94円まで下押しした。111円台では実需を含めたドル買い需要があるとされ、いったんは112円前半を回復したものの、午後は株価の下げ幅拡大などをにらんで上値が重くなり、再び112円を割り込んだ。

米財務長官の前週末の発言は、きょうのドル/円相場に明確な影響を及ぼしていないものの、市場参加者の心理には影響がみられる。

資産運用会社のファンドマネージャーは「アベノミクスが目指したように、超金融緩和による為替相場の円安誘導は事実上封印されるだろう」と指摘。証券会社のディーラーは「結果的に、大幅に円高に振れた場合でも、金額の大きい円売り介入をするのが困難になる」との見方を示した。

茂木敏充経済財政・経済再生担当相は14日のNHKの番組で、米財務長官の発言について、日米間で為替が問題になっていないが、必要な議論は為替が専門である財務相同士で議論していくとの見通しを示した。

英ポンド/円は146円台後半で軟調だった。日本時間の未明に147.64円の高値を付けたあと、午前6時前に146.75円まで下落した。17日からの欧州連合(EU)首脳会議開催を控えて、英国のEU離脱協議が暗礁に乗り上げていることが背景にある。

EUのバルニエ首席交渉官は14日、英国のラーブ離脱担当相との会談後、北アイルランドの国境管理問題で依然隔たりが埋まっていないことを明らかにした。

EU首脳は17日、11月17─18日の臨時首脳会議開催に向け交渉に十分な進展があったかどうかを判断する。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 111.91/93 1.1550/54 129.28/32

午前9時現在 112.19/21 1.1548/52 129.59/63

NY午後5時 112.19/22 1.1562/64 129.65/69

(為替マーケットチーム)

ロイター
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