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NY市場サマリー(11日)
[11日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨バスケットに対し2週間ぶり安値を付けた。米債利回りが低下し、米株安となる中、ドルの保有を手じまう動きが広がった。
朝方発表された9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びだったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを加速するとの観測が後退。これに伴いドルの下げに拍車がかかったほか、米債への逃避買いが強まった。
主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時94.987に低下し、9月28日以来の水準となった。終盤の取引では0.5%安の95.034近辺で推移。
ユーロ/ドル
安全資産とされる円
ユーロ/円
オフショア人民元
<債券> 債券利回りが前日に続き低下し、1週間ぶり水準を付けた。米追加利上げの見通しに対する懸念で、米株市場が大幅続落したことを受けた。この日発表された9月のCPIが市場予想を下回る伸びだったことも債券買いを後押しした。
ただ債券ストラテジストらは、株価が下落してもFRBは利上げを中断しないだろうと指摘する。
この日実施された米30年債入札は、最高落札利回りが3.344%と、2014年7月以来約4年ぶりの高水準を記録。応札倍率は2.42倍で1月以来の高水準となった。
終盤の取引で米10年債利回り
米30年債利回り
<株式> 連日の大幅安となり、ダウ平均株価は500ドル以上値下がりしたほか、ハイテク株の多いナスダック総合指数も100ポイント近い下げとなった。金利上昇を巡る懸念や企業決算への警戒感から売りが膨らんだ。
S&P総合500種指数は2.1%安で引け、6営業日連続の下げとなった。前日は3%下げていた。一時、2.7%下落し、7月上旬以来の安値をつけた。
ナスダック総合指数は、8月29日につけた終値の最高値を9.6%下回る水準で引けた。一時、終値最高値を10.3%下回っていた。
投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は一時28.84まで上昇した。その後前日比2ポイント高の24.98と、2月12日以来の高水準で終了した。
米原油在庫が予想を上回る水準となったことから、原油価格は約2週間ぶり安値をつけた。これを受けてエネルギー関連株が売られ、S&Pエネルギー指数<.SPNY>は約3.1%下落した。
金融株指数<.SPSY>は2.9%安。大手3行の決算発表をあすに控え、銀行株<.SPXBK>は2.7%下げた。前日最も下げがきつかったテクノロジー関連株<.SPLRCT>は、1.3%安となった。
この日発表された9月のCPIが市場予想を下回る伸びにとどまったことから、インフレ圧力が高まるとの懸念が和らぎ、株価を下支えした。
<金先物> 世界的な株安を背景に安全資産とされる金が買われ、大幅続伸した。12月物の清算値は前日比34.20ドル(2.87%)高の1オンス=1227.60ドルと、中心限月ベースで8月1日以来約2カ月ぶりの高値を付けた。
世界的な株安を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、「質への逃避先」として金塊が買い進まれた。また、朝方発表された9月のCPIで伸びが市場予想を下回ったことで、インフレ高進懸念が幾分後退、金利を生まない資産である金には支援材料となった。 このほか、トランプ米大統領が11日、米株式相場の大幅下落について「FRBの利上げによるものだと思う」と改めて非難したことを受けて、FRBが利上げに動きにくくなるのではないかとの思惑も広がった。
<米原油先物> 米原油在庫の積み増しに加え、石油輸出国機構(OPEC)による国際石油需要見通しの下方修正を嫌気し、大幅続落した。米国産標準油種WTI中心限月11月物の清算値は、前日比2.20ドル(3.01%)安の1バレル=70.97ドルと、9月21日以来約3週間ぶりの安値を付けた。12月物は2.22ドル安の70.81ドルだった。EIA週報が午前に発表した週報によると、最新週の国内原油在庫は前週比600万バレル増と、3週連続で積み増しとなった。増加幅も市場予想(ロイター調査)の262万バレル増を大幅に上回った。これを受けて、米国内の需給不均衡に対する警戒感が強まり、原油に売り圧力がかかった。
また、OPECがこの日発表した月報で、今年と来年の国際石油需要の伸びを前回予想から下方修正したことも相場の圧迫材料。さらに、前日の米株価急落をきっかけにこの日も投資家のリスク回避姿勢が強まり、株と並んで同じくリスク資産である原油も売られやすく、その後も徐々に下げ幅を拡大する展開となった。