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ドル113円後半、株安と米金利高の板ばさみ
10月5日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル安/円高の113円後半。日本や香港などアジアの株式市場の株安を背景とするリスク回避の円買いと、米長期金利の高止まりによるドル買いの綱引きとなった。写真は2013年1月撮影(2018年 ロイター/Lee Jae Won)
[東京 5日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル安/円高の113円後半。日本や香港などアジアの株式市場の株安を背景とするリスク回避の円買いと、米長期金利の高止まりによるドル買いの綱引きとなった。
三連休前の五・十日にあたるこの日は実需のドル買いが先行し、仲値直前に114.10円の高値をつけたが、その後は113円台後半でのもみあいが続いた。
「株安から来るリスク回避の円買いと、米金利の高止まりからくるドル買いのせめぎあいとなっている。市場は米雇用統計待ちだが、賃金の上昇幅などについて、ネガティブサプライズがあれば、膨れ上がっている円売りポジションの巻き戻しがおこり、ドル安/円高に振れるリスクがある」(外為アナリスト)という。
米10年国債利回りは3.1987/3.1968%の気配。ニューヨーク市場の終盤に一時3.2324%まで上昇したが、その後は騰勢が弱まった。しかし同利回りは依然7年5カ月ぶりの高水準にある。
最近の米長期金利の急上昇を受け、いったん落ち着きを取り戻していた新興国通貨は再び軟化している。
トルコリラ/円は、18.32円付近。米長期金利が急上昇する以前の1日には19.33円付近まで値を戻していたが、その後4営業日連続で下落している。
市場では、近く米財務省が発表する見込みの為替報告書に対する関心が強まっている。日米は物品貿易協定の交渉入りを決めたが、市場では米側が為替を通じて圧力をかけてくる可能性があるのではないかとの警戒感が根強いためだ。
国際通貨基金(IMF)は先月末にまとめた日本経済に関する報告書の中で、円相場について「2018年の実質為替レートは、中期的なファンダメンタルズと望ましい政策と、おおむね整合的な水準にあると暫定的に評価されている」とした。
「為替報告書でもIMF評価は加味される。日本政府・通貨当局には朗報となったはず」(シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジスト)という。
今年4月時点で日本は、中国やドイツなどと並び為替監視対象国に指定されている。
ドル/円
午後3時現在 113.87/89 1.1496/00 130.94/98
午前9時現在 113.88/90 1.1515/19 131.17/21
NY午後5時 113.90/93 1.1513/17 131.15/19
(為替マーケットチーム)