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米FRB、追加利上げの必要なし=ミネアポリス連銀総裁

2018年10月02日(火)03時30分

 10月1日、米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、米連邦準備理事会が追加利上げを行う必要はないとの考えを示した。写真はワシントンのFRB本部。8月撮影(2018年 ロイター/Chris Wattie)

[1日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は1日、債券市場から「黄信号」が灯っていることや、自身の見解では米経済がまだ完全雇用状態ではないことから、米連邦準備理事会(FRB)が追加利上げを行う必要はないとの考えを示した。

米連邦準備理事会(FRB)は先週、今年3回目の利上げを決定。ほとんどの政策当局者は来年末までに少なくとも4回の追加利上げを行う見通しを示している。カシュカリ氏は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権は持っていない。

同氏はタウンホールで「債券市場は、米経済成長が今後数年も非常に堅調か定かでないとのメッセージを発している。それが気掛かりだ」とし、「われわれは利上げで行き過ぎていないかということに注意を払っている」と述べた。

一部のFRB当局者は、短期金利が長期金利を上回る逆イールドカーブの発生を懸念。この現象は過去に景気後退の前兆となってきた。

カシュカリ氏は利回りについて「われわれが緩和的な金融政策をとっているのか、緊縮的な金融政策をとっているのかについてフィードバックを与えてくれる手段」とし、「金利を引き上げるべき理由は見当たらない」と述べた。

関税を巡る問題は、短期的には経済への影響は見えないが、長期的には打撃になると指摘。カナダと合意に達した北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉については、米経済を支えてきたことは間違いなく、合意は喜ばしいと述べた。

このほか、トランプ政権の減税措置は石油セクター以外に大規模な投資につながっていないとし、賃金もそれほど上昇していないと指摘。「このことから、おそらくまだ最大雇用には達していない」との考えを示した。

*内容を追加しました。

ロイター
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