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ユーロ圏9月PMI速報値、製造業が2年ぶり低水準 サービスは好調
[ロンドン 21日 ロイター] - IHSマークイットが21日発表した9月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値は、製造業とサービス部門で明暗が別れた。サービス部門PMIは54.7で、前月の54.4から上昇し、市場予想(54.4)を上回った。
一方、製造業PMIは54.6から53.3に低下し2年ぶりの低水準。ロイターがまとめた予想中央値の54.4も大幅に下回った。
製造業PMIのサブ指数では、生産指数が54.7から52.8に低下し2016年5月以来の低水準。新規受注指数は53.0から51.4に低下し25カ月ぶりの低水準。ユーロ圏内の取引を含む輸出指数は横ばいだった。
INGのBert Colijn氏は「ユーロ圏の産業は引き続き、英国の欧州連合(EU)離脱や貿易摩擦の深刻化がもたらす不確実性に苦戦している」と指摘した。
IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「製造業が好調ではない状態で、ましてや多くのサービス企業が製造業に依存しているときに、サービス部門の堅調な成長がどのくらい長く維持できるか疑問」と述べ、「輸出セクターがユーロ圏経済の足を引っ張っているようだ。貿易戦争をにらみ、リスク回避姿勢が足元で広がっている」との見方を示した。
総合PMI速報値は54.5から54.2に低下。予想中央値の54.4も下回った。ウィリアムソン氏によると、PMIは第3・四半期の域内総生産(GDP)成長率が0.5%になることを示唆しているという。ロイター調査では0.4%と見込まれている。
ドイツ、フランスの総合PMI速報値も予想以上に悪化した。[nL3N1W739K][nL3N1W73ES]
総合PMIのサブ指数では、楽観度を示す将来の生産指数は61.9で、23カ月ぶりの低水準だった前月の61.6から上昇した。
サービス部門では雇用指数が2007年10月以来の高水準だった8月と同じ55.3だった。