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ECB理事会一部メンバー、より慎重な景気認識主張=関係筋
[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が13日に開いた理事会で、複数メンバーがドラギ総裁に対し、より慎重な景気認識を打ち出すよう求めたことが、関係筋2人の話で分かった。
理事会は、ユーロ圏の成長見通しを下方修正したが、良好な域内情勢が新興国の混乱を相殺するとして、向こう数カ月間金融刺激策の縮小を続ける方針を再確認した。
上向き・下向きリスクがおおむね同程度とされる「リスクはおおむね均衡」という表現も繰り返し用いた。
ただ関係筋2人によると、出席者の少数が、債券市場がより神経質になりつつあると強調、リスクが「下向き」と表現して、一段と悲観的な見方を打ち出すべきだと訴えた。
トルコリラやアルゼンチンペソの値動きのほか、イタリアで6月の反エスタブリッシュメント政権樹立以降、借り入れコストが上昇しており、ECBはこうした懸念にも直面する。
関係筋の1人は「一部メンバーは他のメンバーよりやや慎重な姿勢を見せた」と明かす。
慎重な表現を望むメンバーは少数にとどまり、最終的にリスク「均衡」の表現維持に同意した。
ドラギ総裁は理事会後の記者会見で「ユーロ圏経済の成長見通しを取り巻くリスクはおおむね均衡していると、なお判断することができる」と言及。「同時に保護主義の台頭や新興国市場の脆弱性、金融市場のボラティリティーを巡るリスクがこのところ存在感を増している」とも指摘した。
関係筋によると、リスク均衡を巡る状況に関係なく、12月の債券買い入れプログラム終了はほぼ確実。異例の景気ショックが生じた場合に量的緩和を延長すると見通した。
ECBは12月以降も長期にわたり、保有債券の再投資を行う予定だが、再投資先の国や償還年限が同じになるかは明らかにしていない。
今回の理事会は再投資を討議しなかったが、別の関係筋によれば社債の再投資を行わず、得られた資金を他の使途に回すよう主張したメンバーもいたという。