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ドル110円後半、貿易摩擦懸念で円堅調

2018年09月10日(月)15時24分

 9月10日、午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅安の110円後半。トランプ米大統領が対日貿易協議に言及したことなどを受けて、円が底堅い展開となった。写真は都内で2013年4月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 10日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅安の110円後半。トランプ米大統領が対日貿易協議に言及したことなどを受けて、円が底堅い展開となった。

トランプ大統領は7日、日本と貿易交渉を始めたとし、仮に物別れに終われば、日本側が「一大事になることを認識している」と述べた。

発言を受けて、週明けの外為市場では円がしっかり。大統領が新たに2670億ドル相当の中国製品に対して追加関税を課す用意があると明らかにしたことも市場の緊張を高める形となり、ドルは一時110.85円まで下落した。

円高がやや目立ったのは対ドル以外のクロス円。英ポンド/円は143円半ばから前半へ、NZドル/円は72円半ばから前半へ下落した。

市場では「貿易戦争は(中国など)相手国通貨の下落とドルの上昇につながる。米景気の強さも相変わらずであることを考慮すると、円高はクロス円のほうが進みやすい」(信託銀)との指摘が出ていた。

<トルコリラ、前週は域内最大の上げ 大注目の中銀決定控え>

週明けのトルコリラは17円前半。前週安値の16円前半から小幅上昇した水準で推移している。

前週、対ユーロのトルコリラは中東欧通貨の中で最も大きく上昇。週末7日には対ドルでも3%近い上昇となった。ただ、反発のきっかけは特段なく、市場では13日の中銀政策決定会合を控えた「持ち高調整が主体」(外銀)だったとの声が多い。

中銀は3日に声明を発表し「金融スタンスは、最近の動向を踏まえ9月の金融政策委員会で調整される」と明言した。すでに市場では利上げ予想が出回っているが、その幅は3─7%程度とかなり大きい。

野村証券によると、トルコ短期市場が織り込む利上げ幅も「計算方法によって3%台後半から5%超までばらつきが大きい。市場の期待値自体を観測することが難しい状況」で、発表後は波乱含みとなる可能性がある。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 110.96/98 1.1550/54 128.18/22

午前9時現在 110.91/93 1.1559/63 128.22/26

NY午後5時 111.05/10 1.1551/55 128.30/34

(為替マーケットチーム)

ロイター
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