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ドルが1週間ぶり高値近辺、貿易や新興国市場懸念で=欧州市場

2018年09月04日(火)04時46分

[ロンドン 3日 ロイター] - 欧州外為市場では、主要6通貨に対するドル指数<.DXY>が1週間ぶり高値付近で推移した。世界貿易を巡る緊張状態や、新興国市場で続く売りを背景に、ドル需要が強まった。

トランプ米大統領は1日、北米自由貿易協定(NAFTA)にカナダをとどめる必要はないとツイッターに投稿した。また、議会は通商協議に干渉すべきでないと主張し、「そうでなければNAFTAは終わることになる」とけん制した。

ドル指数は横ばいの95.12と、8月27日以来の高値水準近辺で推移した。貿易を巡る緊張が最初に高まった4月半ば以降7%近く値上がりしている。

ポジションベースではドル高予想が根強い。米商品先物取引委員会(CFTC)が公表したデータを基にロイターが算出したところ、ドル買い越し額は縮小したものの、前週に付けた約1年半ぶりの高水準からわずかに離れたところにある。

新興国市場を巡る不安も広がっている。アルゼンチンペソが対ドルで4%強下落、トルコリラは2%安。

またインドネシアルピアが20年ぶりの安値、インドルピーは過去最安値を付けた。

INGのアナリストらは「今週もドルが新興国通貨に対して堅調に推移することになりそうだ」「7日公表の米雇用統計が底堅い内容となれば、ドルは対新興国通貨で一層強含むだろう」と見通した。

ユーロは対ドルで0.11%安。IHSマークイットが発表した8月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が21カ月ぶり低水準となったことを嫌気した。世界的な貿易摩擦の激化に対する懸念が強まり、楽観的な見方が後退した。

英国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡る懸念が再燃したほか、8月の英製造業購買担当者景気指数(PMI)がさえず、英ポンドの下げが目立った。

また欧州連合(EU)のバルニエ首席交渉官は、離脱後の貿易関係に関する英国政府の提案に強く反対する立場を表明した。

ポンドは対ドルで0.8%安の1.2855ドル、ユーロに対しても0.8%値下がりして89.80ペンス。

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.1619 1.1610

ドル/円 111.05 110.97

ユーロ/円 129.03 128.83

(表はロイターデータに基づいています)

ロイター
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