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NY市場サマリー(24日)
[24日 ロイター] - <為替> パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がインフレ高進リスクはほとんど見られないとの認識を示し、ドルが下落した。
議長はワイオミング州ジャクソンホールの経済シンポジウムで講演し、インフレ率が目標の2%を上回って加速する明確な兆候はほとんどみられないが、国内景気回復を下支えするため、着実な利上げが現時点で最善との考えを明らかにした。
中国人民銀行(中央銀行)の人民元相場安定に向けた取り組みも、ドルを圧迫した。
トランプ大統領が利上げペースを批判した後の講演となったが、議長は現行の政策アプローチを維持する姿勢を打ち出した。
一部の市場関係者はインフレに関連した議長発言について、「中立金利」を超えて利上げを進める必要に乏しいことを示すシグナルと受け止めた。政策決定者らが示す最新評価は2.9%前後と、金利現行水準(1.75─2%)を約1%ポイント上回る。
<債券> パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が利上げを継続していくとの姿勢を示したことを受け、長短金利差が2007年以来の水準に縮小した。
この日の取引で2年債と10年債の利回り格差は19ベーシスポイント(bp)に縮小。同格差は2月は83bp、8月初めは33bpだった。
短期債の利回りには利上げの可能性が反映されやすい一方で、長期債はインフレが抑制されていることに加え、外国中央銀行がなお債券買い入れ策を継続していることなどが支援要因となっている。
CMEフェドウオッチによると、金利先物が織り込むFRBの利上げを巡る確率は9月が98%、12月は68%となっている。
<株式> 上昇して取引を終了。S&P総合500種は終値で過去最高値を更新した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日の講演で、利上げを現状のペースで進める方針をあらためて示した。
S&P総合500種は1月26日に終値での最高値を付け、その後2月前半にかけて10%超下落した。この日の最高値更新は、強気相場がなお続いてることをあらためて示した。小型株で構成するラッセル2000指数も0.5%上げ、終値で最高値を記録した。
パウエル氏講演を受けたドル安で原油や金属の価格が上昇し、S&P素材株指数が1.2%高。S&Pセクター別では上昇率トップとなった。
米動画配信サービス大手ネットフリックスは、サントラスト・ロビンソンが投資判断を「ホールド」から「バイ」に引き上げ、5.8%高で引けた。コンピューター支援設計(CAD)ソフト大手の米オートデスクは15.3%高。第2・四半期決算が予想を上回ったことを好感した。
<金先物> パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による講演を受けて対ユーロでドル安が進行し、割安感などから買われて反発した。中心限月12月物の清算値は前日比19.30ドル(1.62%)高の1オンス=1213.30ドル。パウエル氏はこの日午前にワイオミング州ジャクソンホールで開催中の経済金融シンポジウムで講演。目先の利上げは既にほぼ織り込み済みである上、利上げペースの加速を示唆する内容でなかったことから、外国為替市場では逆にドル売り・ユーロ買いがさらに進行。ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が生じたことから、金が買われた。
<米原油先物> 対ユーロでのドル安進行を背景に割安感から買われ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値は前日比0.89ドル(1.31%)高の1バレル=68.72ドルだった。この日の外国為替市場では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けてドル売り・ユーロ買いが加速。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、原油買いを後押しした。また、米エネルギー情報局(EIA)が週央に発表した週間在庫統計で原油在庫の大幅な取り崩しが明らかになったことで、需給不均衡に対する警戒感が後退していることも、原油相場を押し上げる要因となった。
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