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NAFTA再交渉、米・メキシコの合意「近い」=当局者
8月22日、メキシコと米国の当局者は、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で両国が懸案事項の解決に近付いていることを明らかにした。メキシコシティで2018年3月撮影(2018年 ロイター/Edgard Garrido)
[ワシントン 22日 ロイター] - メキシコと米国の当局者は22日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で両国が懸案事項の解決に近付いていることを明らかにした。ただ、合意は早くても週の終盤になる見通しだ。
メキシコのロペスオブラドール次期政権で交渉を担当するヘスス・セアデ氏は22日、自動車の原産地規則を巡り作業が続いているとし、23日中に合意が発表される見込みはないと述べた。
同氏は記者団に対し「既に全ての課題を協議している。数時間中ではなく、数日中に合意する可能性がある」と語り、「(合意を)急ぐべきではないが、既に近付いている」との見方を示した。
これより先、セアデ氏とメキシコのグアハルド経済相はともに、「数時間中」に合意する可能性があると述べていた。
グアハルド氏は23日に再協議すると明らかにした。
米通商代表部(USTR)は「重要課題が残っている」としたが、ロス米商務長官はその後、「非常に近い将来」に合意する可能性があると述べた。
自動車分野の協議はここ数週間で前進したが、米国が提案している「サンセット条項」や紛争解決制度など他の問題は未解決だ。
セアデ氏は、22日の協議ではサンセット条項について協議しなかったことを明らかにした。
協議に近い関係筋によると、エネルギー分野も新たな課題として浮上している。メキシコの現政権が実現した石油ガス産業の民間開放を協定に盛り込むことに、ロペスオブラドール次期政権関係者が警戒感を示しているという。
セアデ氏はこれについて、次期政権チームは「何も変えない」と言明したが、メキシコの憲法に合致した内容となるようにしたいと述べた。
カナダはメキシコと米国が自動車分野での見解の相違解消に取り組む間、交渉復帰を見送っている。
グアハルド氏は、カナダが協議に復帰できるよう2国間協議で主要な課題の解決を目指すと述べたが、セアデ氏はそれ以前にカナダが復帰する可能性もあるとの見方を示した。
カナダのフリーランド外相はメキシコと米国が楽観的な見方を示していることは心強いとした上で、自動車の原産地規則はカナダにとっても重要だと主張。「最終合意にはカナダとしても言いたいことが多くある」と述べた。
複数の自動車業界幹部はロイターに対し、米国が23日までにメキシコと合意する可能性は低いとの見方を示し、未解決の問題が残っているほか、メキシコはカナダ抜きで合意を発表することに消極的だと指摘した。その上で、いずれにしても残る問題を3カ国間で解決するため、来週も協議が続く公算が大きいと話した。
*内容を更新しました。