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テスラ株空売り、非公開化構想受け小幅減少 先行きには懐疑論
8月13日、米電気自動車大手テスラのマスクCEOが、非公開化構想についてサウジアラビアの政府系ファンドなどと協議を進めていると明らかにしたことを受け、投資家は同社株の空売り解消に動いた。写真は同社のロゴ。北京で7月撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)
[サンフランシスコ 13日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラ
金融分析会社S3パートナーズによると、テスラ株の空売り残高は前週末時点で浮動株の26.9%と、6月以来の水準まで低下しており、その後もさらに縮小している。
S3パートナーズの調査部門責任者、イーホリ・ドゥサニウスキー氏は「多少買い戻しが出ているようだが、投資家の見方が変わったわけではなく、取引の余剰分を少し削っているだけだ」と指摘。
空売り残高の浮動株に占める割合は6日時点で27.2%だった。マスクCEOは7日にツイッターで「1株当たり420ドルでテスラの株式を非公開化することを検討中だ。資金は確保した」とコメントし、市場を驚かせた。
ただ、空売り残高は122億ドルと、引き続き米企業で最大。S3パートナーズによると、世界では中国・アリババ
マスクCEOは13日にブログで、テスラ株非公開を巡り、サウジのSWFや他の投資家らと協議を進めていることを明らかにした。ただ、非公開化に向けた資金はまだ確保していないもよう。
マスク氏が史上最大規模である総額720億ドルの非公開化を実現できるかについては、投資家は懐疑的な見方を示してきた。
テスラの評価は市場で大きく分かれている。フィデリティなどのミューチュアルファンドがマスク氏のビジョンに信頼を寄せる一方、大半のアナリストは現在の株価やテスラの競争力に疑念を持つ。マスク氏は繰り返しツイッターで空売り勢をけん制してきた。
ビラス・キャピタル・マネジメントのジョン・トンプソンCEOは「テスラは非常に厳しい状況にあり、マスク氏はそこから抜け出すためにイチかバチかの勝負をしている」と指摘した。
株価は13日の取引を0.26%高の356.41ドルで終了。1週間前からは4%高となったが、マスク氏が提示している非公開化の価格である420ドルを約15%下回っている。